このページは番組審議会の主な発言内容をまとめたものです。

開 催 日
令和4年6月1日(水) 第662回
開催場所
熊本放送 会議室
出席委員
竹屋委員長他 委員8名と上野社長他会社側5名が出席
議   題
テレビ番組「新 窓をあけて九州〜われら茅葺職人四世代」


テレビ番組について 

テレビ番組「新 窓をあけて九州〜われら茅葺職人四世代」
放送:5月22日(日)10:00〜10:15
高森町の「阿蘇茅葺工房」の初代・本田末保さん(95)と子、孫、ひ孫の職人4世代が、かやぶきの伝統技術継承に奮闘する姿を追った。

委員の発言

◎実質10分程度の短い時間で、茅葺の構造などについてや、職人の想いや業界の現状、年間を通じての仕事のサイクル、施主側の思いなど多くの要素が盛り込まれており、映像、ナレーション、テロップなどで非常に分かりやすくまとめられていると感じた

◎非常にきれいな映像で、季節感が番組全体に散りばめられていた。阿蘇の自然景観を上手に撮影されていて、見ごたえがあった

◎野焼きをすることで阿蘇の草原が守られている。阿蘇茅葺工房は単に茅葺の技術を伝承しているだけでなくて、阿蘇の草原再生にも貢献しているということも合わせて伝えると、さらに良かったのではないか

◎社会全体で今回のような日本の伝統文化、職人技、日本らしい原風景を残していく取り組みが必要であるということを改めて思わせてくれる番組だった

◎採算面はどうなのかなという疑問も抱いた。若い後継者が入り技術の伝承ができることは素晴らしいことだが、事業性がなければ次の世代に引き続き残していくことは厳しいものになるなと思い見ていた

◎15分の中に伝えたいことが盛り込みすぎていて、とても良い素材なのに、茅葺の良いところが伝えきれないまま終わったような感じがした。いずれかの現場に絞って、葺き替えから完成までの経過を見たかった。特に、南小国町の葺き替えは、最初は乗り気ではなかった施主が、娘の強い説得で葺き替えを決めたり、気持ちにも変化があったりと、とても良い素材ではなかったかと思う

◎番組の最後で再び初代が登場し、茅葺技術を継承している三代目、四代目を見守りながらも、自らも現役の職人として彼らをサポートしている様子が描かれていたが、『われら茅葺職人四世代』というタイトルにふさわしい構成となっていた。最後に、初代が登場したことで、番組が引き締まった印象を持った

◎昔の茅葺屋根をはがした時に、昔の職人の仕事と技に触れ、昔の人と繋がっていることを実感し、その技を未来へ繋げていくのが今の職人の務めであると三代目は語っていたが、私たちの全ての仕事にも当てはまると思った。問題は、そのような自覚と使命感をどれだけ心に抱いて日々を生きているかであると、改めてこの番組を見ながら感じた

◎女性の出演者がわずかだったというのが、すごく気になった。何かもうひとつ配慮ができたのではないかなと思う

◎取材者と初代・末保さんの自然な熊本弁での話は、非常に効果的というか、気持ちが温かくなるような思いで見た。末保さんを通して阿蘇の魅力、伝統技術を繋ぐ重みというのを、言葉にせずとも伝わるような象徴的なシーンだった

◎南小国町を『高森町のとなり』という表現が出てきたが、隣接はしていないので、となりという表現はふさわしくないかと感じた

◎10数分の中で何を伝えるか選択をするのは難しかったのではと思うが、心に残る言葉やナレーションが多く、楽しんで番組を見ることができた


会社の発言

○ひとりのディレクターが、1人で撮影して、ドローンも飛ばして、2年弱くらい記録をし続けた。途中で番組にすることになったので、10分30秒に収まる形で、何かメリハリを付けるようなことができないかということになり、四代目が独り立ちに向けて動き出しているということを、この番組では核にして構成した。

○費用について、綾町の1カ月半の作業で、1000万ちょっと位で、これは、相場からするとかなり安いとのこと。というのは、値段が高すぎると、茅葺を残さないという人が多くなるので、自分たちとしてはかなり良心的な値段でやっているとのこと。

○もう少し家族の絆をインタビューではない会話で掘り下げたかったが、編集のゆったりした感じやキレイな風景を重視したいということで、あのような形になった。

<番組審議会事務局>

審議会インデックス