このページは番組審議会の主な発言内容をまとめたものです。

開 催 日
平成29年3月2日(木)第609回
開催場所
熊本放送 会議室
出席委員
小野委員長他委員6名と秋岡社長他会社側8名が出席
議   題

テレビ番組 『第31回民教協スペシャル 祖父の日記
  〜時を超え 家族に伝える戦争の真実〜』



テレビ番組について 

『第31回民教協スペシャル 祖父の日記 〜時を超え 家族に伝える戦争の真実〜』
放送:2月11日(土・祝) 午後1時00分〜午後1時55分放送
日中戦争に出征し、わずか47日で戦死した制作者の祖父。戦地での祖父の日記が見つかったことで新たな取材を行い、戦争の真実と家族のつながりを描いた全国放送の番組である。

委員の発言

◎真実を伝えるリアルな番組で、こういうメッセージ性のある番組こそテレビの本領が発揮できる。

◎素晴らしい番組。番組作りがとても丁寧に行われていた。

◎時代の知識がない若い世代も、観るほどに入り込める工夫がしてあった。

◎時間の過ぎるのがあっという間だった。裏を返せば、非常に中身の濃い番組だ。

◎出征前の5年間の日記があったことで、より後の日記が考えさせられる題材になった。

◎制作者が4世代という縦軸の要にいて、その縦軸がしっかりしていた。

◎真実は自分だけの理解や情報では出来ないという事が、メッセージとして感情的に言わずに事実を提示する事で伝わってきたところが優れていた。

◎戦争関連の番組は8月の放送が多いが、この番組が2月に放送されたことに意義がある。家族を振り返ったり、人の繋がりを考えたりと、ありがたい。

◎自身の祖父、父、息子というところに制作者の勇気があった。いい話ばかりじゃなかっただろうし、それを自身が制作者という立場で自身が中心になって作っていくのは、勇気がないと出来ない。

◎戦前と戦地に行った時の日記の2つがあったから深みが出た。その一方で、戦前の日記だけで47日後に亡くなったという話だけでもドラマになったかもしれない。

◎戦争を体験していない世代の1人として考えさせられた。戦争で命を落とした祖父の直筆の日記にリアル感があり、真実味を感じた。

◎制作者が身内の日記をさらけ出すことに逡巡があっただろう。戦争が社会全体をどれほど異常なものにしたかを知る上で勉強になった。優しかった人がわずか10日ほどで人間性が変わったようになってしまい、戦争がどんなに人を変えるのか、何故変わるのか、少し具体的に分かった気がした。

◎戦争の話をする時、想像による曖昧なところが多いが、日記という明瞭な素材を通したアプローチに説得力があった。

◎インタビューされている中国人の目、自分の祖父が兵士だったことを言うか言うまいかためらった制作者の目、お父さんが最後に少し涙をためて言われた目、目のアップが非常に印象に残る。

◎コマーシャルが入ると、感情が入っていってる時に区切られてしまう。仕方のないことだがちょっと残念。

◎当時の戦死者の数などデータ的なものが加わっていれば、後にも資料性のある番組になったのでは。

◎時間があったら制作者と息子さんともう少し話をしても良かったのでは。

◎全国からどんな反響があっただろうか。

会社の発言

○出征前の日記の存在は以前から知っていたが、番組化の意向はなかった。それでも短いリポートを作り、番組化を進めていくうちに出征後の日記を父から差し出され、構成し直した30分番組が原型となっている。その後、民教協の企画にとおり、今回の番組となった。

○孫なのですぐに自分に返って来る。祖父のやった事、思っている事をどうしても全部自分の事として思ってしまい、祖父の変化が最初は受け入れられなかった。

○RKKには先輩が残した映像が沢山あるが、今回はキー局がテレビ朝日になることもあり、使っていいものだけ使用した。アメリカ国立公文書館が出している物は使用可能。アサヒグラフは著作権が切れており、自由に使用可能だった。

○家族で取り組んだことについても最初は予定なし。民教協の審査員から家族でやってみてはとの助言があって構成した。

○ラストシーンに関しては、未来の子孫がもう1回見直してくれたらという気持ちを込めてシーンにした。いろんな方からの手紙の中で、皆で引き継いでいくものだというご意見をいただき、本当にありがたい。

<番組審議会事務局>

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