◎実質10分程度の短い時間で、茅葺の構造などについてや、職人の想いや業界の現状、年間を通じての仕事のサイクル、施主側の思いなど多くの要素が盛り込まれており、映像、ナレーション、テロップなどで非常に分かりやすくまとめられていると感じた
◎非常にきれいな映像で、季節感が番組全体に散りばめられていた。阿蘇の自然景観を上手に撮影されていて、見ごたえがあった
◎野焼きをすることで阿蘇の草原が守られている。阿蘇茅葺工房は単に茅葺の技術を伝承しているだけでなくて、阿蘇の草原再生にも貢献しているということも合わせて伝えると、さらに良かったのではないか
◎社会全体で今回のような日本の伝統文化、職人技、日本らしい原風景を残していく取り組みが必要であるということを改めて思わせてくれる番組だった
◎採算面はどうなのかなという疑問も抱いた。若い後継者が入り技術の伝承ができることは素晴らしいことだが、事業性がなければ次の世代に引き続き残していくことは厳しいものになるなと思い見ていた
◎15分の中に伝えたいことが盛り込みすぎていて、とても良い素材なのに、茅葺の良いところが伝えきれないまま終わったような感じがした。いずれかの現場に絞って、葺き替えから完成までの経過を見たかった。特に、南小国町の葺き替えは、最初は乗り気ではなかった施主が、娘の強い説得で葺き替えを決めたり、気持ちにも変化があったりと、とても良い素材ではなかったかと思う
◎番組の最後で再び初代が登場し、茅葺技術を継承している三代目、四代目を見守りながらも、自らも現役の職人として彼らをサポートしている様子が描かれていたが、『われら茅葺職人四世代』というタイトルにふさわしい構成となっていた。最後に、初代が登場したことで、番組が引き締まった印象を持った
◎昔の茅葺屋根をはがした時に、昔の職人の仕事と技に触れ、昔の人と繋がっていることを実感し、その技を未来へ繋げていくのが今の職人の務めであると三代目は語っていたが、私たちの全ての仕事にも当てはまると思った。問題は、そのような自覚と使命感をどれだけ心に抱いて日々を生きているかであると、改めてこの番組を見ながら感じた
◎女性の出演者がわずかだったというのが、すごく気になった。何かもうひとつ配慮ができたのではないかなと思う
◎取材者と初代・末保さんの自然な熊本弁での話は、非常に効果的というか、気持ちが温かくなるような思いで見た。末保さんを通して阿蘇の魅力、伝統技術を繋ぐ重みというのを、言葉にせずとも伝わるような象徴的なシーンだった
◎南小国町を『高森町のとなり』という表現が出てきたが、隣接はしていないので、となりという表現はふさわしくないかと感じた
◎10数分の中で何を伝えるか選択をするのは難しかったのではと思うが、心に残る言葉やナレーションが多く、楽しんで番組を見ることができた
|