◎ラジオ番組だからこその、耳からだけ伝わる情報によって免田栄さんや元記者たちの声に集中でき、その時々の当事者の思いに想像力を働かせることができた
◎免田さんに関係する3名のジャーナリストの活動を追ったという特色のある番組だと思った。この資料集にはこれまで明らかにならなかった資料がたくさん含まれていると思う。委員会のメンバーの活動はもちろん極めて貴重なものだが、これをラジオ番組として取り上げて、一般の人が普通、絶対に耳にすることができない内容を伝えたという意味で、ものすごく貴重な番組で、資料を残すというところの重要性も問いかけているというふうに思った
◎この番組から改めて人の命や人権の重さを学び、人として見過ごせないこと、素通りしてはいけないものがあるということを教えてもらった
◎ナレーションも番組を支えていた。抑制的で、時にゆっくりとした口調が聞きやすく、番組の冒頭と最後に明かした事件に対するこれまでの自身の意識とその変化は、率直で好印象を持った
◎長い間丁寧に取材を続けてきて、免田さん本人はもちろん、配偶者や親戚、警察関係者、支援者、報道関係者の方々の声によって、事件を知らない人にもわかりやすく事件の内容が時系列で放送されて、死と隣り合わせの中で想像できないほどの苦労があったことを思うと、内容にどんどん引き込まれたというような感じであった
◎目の前にあっても意識してこれを学ぼうと思わない限り、それはないものと同じ。それはきっとみんなが同じで、それを痛感した。水俣病がそうであったように、目の前にあってもそれを学ぼうと思わなければ何もわからない。免田さんが、水俣病と認められるまで、人として扱われなかった自分が人間であるという、人間の尊厳の証明であるというふうに戦ってこられた人たちとも重なった
◎司法の安定ということの2つの解釈。簡単に変えないことで安定を保つということと、間違いがあったらすぐに直すことが安定である。間違ったことがあったらすぐ直す。これはここに限らず今の行政にも言えることではないかなと思い、重い言葉だと感じた
◎取材とはどこまで相手の懐の中に入るかという問題だと思う。信頼こそが取材の根底にあるべきであって、いかに取材する側が真摯になれるかということなのかなと思った
◎この事件についてネットでもたくさんのことが書かれているが、読んでも自分の中に落ちてくるものというか、響くものが全然なく、なかなか自分のこととして捉えるというのは難しいと思った。一方、ラジオで聞くと、関係者の肉声がたくさん入っていたので、事実に感情が乗っかかってきて、心に響くものがあった
◎肉声が入っていることで、事件について、文字情報だけではなくて実際に体感するという、感じることができたなというような印象を持った。すごく前の事件でありながら、目の前の事のように感じることができ、ラジオ番組というものの大事さというものを感じた
◎死刑制度のあり方や、日本の裁判員制度というもののあり方について、改めて考えさせられた
◎非常に良い番組だと思う一方で、これを何らかの形で使える形にしていくことが大事ではないかと思った。何らかの形でのアーカイブなり、あるいは大学の教育とかに活用できるのではないかと思った
◎偏見差別の根深さをというところで、発言された人の肉声が使われていたが、ここは使わない方が良かったのではないかと感じた。地元のコミュニティなので、誰が発言したのかということが分かってしまう。それを放送に使うことについては、慎重にあるべきではなかったか
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