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【回答者】
熊本大学大学院循環器内科学 坂本 憲治、熊本中央病院循環器科 森久 健二、
済生会熊本病院循環器内科 田口 英詞、熊本大学大学院心臓血管外科学 福井 寿啓、
熊本中央病院 管理栄養士 村岡 まき子、熊本大学薬剤部 橋口 ゆみ、
熊本赤十字病院リハビリテーション科 理学療法士 新堀 裕(敬称略)

たくさんのご質問をいただきましたが ホームページのスペースの都合上、 お寄せいただいた質問の中から選ばせて頂き、
お答えいたしております。どうぞご了承下さい。

ご質問一覧

(質問1)
69歳女性、64歳女性、71歳女性 他
狭心症の原因について、典型的な狭心症症状について(肋間神経痛との違い等)教えて下さい。
狭心症の原因は動脈硬化です。
このため年齢、糖尿病、高血圧、喫煙、高コレステロール血症状、肥満などがそれを起こしやすくします。典型的な症状は胸の痛み、締め付け感、圧迫感、中には肩や歯が痛くなる方もいます。
胸の症状であれば手の平の範囲あるいはそれ以上が典型的で、指を差せる点や正確に範囲を囲む事ができる症状は典型的ではありません。
運動時にのみ出現して安静にしていると消失するのが労作性狭心症ですし、ひどい場合には冷や汗を伴います。
判断が困難な場合にはニトログリセリンを試しに使用していただく事もあります(ニトロが効けば狭心症の可能性が高いです)
(質問2)
69歳女性
心臓ドックについて教えて下さい。
様々な方法がありますが、心電図の他に心臓のエコーや、運動をしながらの心電図検査、24時間心電図を記録するホルター心電図など検査を組み合わせる事で、狭心症のみならず不整脈や弁膜症、心筋症など心臓に関わる病気の多くを発見する事ができます。
公開講座でお示しした冠動脈のCT検査を受けられるドックもあり、早期発見を望む方には非常に有用です。
(質問3)
73歳男性、74歳女性 他
冠攣縮性狭心症、異型狭心症の内服継続の必要性について教えて下さい。
公開講座では「狭心症は命に関わる事が少ない」とお話ししましたが、冠攣縮性狭心症/異型狭心症は例外です。内服継続のみがその予防になりますので、内服薬の確実な継続が必要です。
一方で「可能性があるので飲んでおきましょう」という方針で内服をされていらっしゃる方もあります。
過去に受けられた検査の内容や内服開始のきっかけになった症状で判断できる場合も多く、診断を行うための検査もありますので、心配な場合には循環器専門医を受診してください。
(質問4)
70歳女性、72歳男性
風呂上りや朝方に心拍数が120前後になります。検診の必要は?
発作時の心電図記録の方法は?
朝方や風呂上がりなどは交感神経が活性化される時間帯であり、頻脈性の不整脈でなくとも脈拍が120/分程度まで上昇することはあります。5分ほど安静にされて再度脈拍を測定していただき、脈拍が下がってくるようでれば特に検診の必要性はないと考えます。
また、発作時の心電図を記録する方法は、病院の機械でできるものはホルター心電図という24時間記録可能な心電計があります。
毎日のように脈拍が速くなるようならそれで確認できると思います。
その他には市販の携帯型心電計があり、こちらは自己負担での購入になりますが自分が気になるときに心電図の記録を残すことができます。
(質問5)
51歳女性
職場検診でQT延長症候群と言われました。専門医にかかったほうがよいか教えて下さい。
QT延長で問題になるのはTorsade de pointesという危険な不整脈につながることがあることです。
眼前暗黒感や失神などの自覚症状があるようなら早めに専門医を受診することをお勧めします。
症状がなくても検診で指摘されており、一度専門医を受診されるといいかと思います。
(質問6)
60歳男性、65歳女性、75歳女性 他
足のふくらはぎが時々つります。原因と対策を教えて下さい。
ご質問ありがとうございます。運動中に足がつるという人も多いと思いますが、睡眠中に足がつるという人も比較的多いです。下記に足がつる8つの原因と対策についてそれぞれ具体的にまとめました。原因は、比較的多岐にわたりますので、心配であれば、かかりつけ医に相談していただければと思います。

原因1,水分不足
夜中、寝ている時にトイレに行きたくないため、どうしても眠前の水分を控えてしまいがちです。ただ寝ている間も汗をかくので身体の中の水分が不足してしまいます。
(対策1)寝る前にコップ一杯または、コップ半分の水を飲むだけでも水分不足によるこむら返りは、防ぐことができます。

原因2,ミネラルの不足(マグネシウムやカリウム)
水には、多くのミネラルが含まれています。水分摂取をあまりしないと、ミネラルも水分同様、汗をかくことでどんどん身体の中から出て行ってしまいます。そのためミネラル不足になり、こむら返りになりやすくなります。
(対策2)水を少し飲んでも改善されない時は、ポカリスエットのようなスポーツドリンクを飲むと改善される場合もあります。ミネラルが不足しないように、バランスの良い食事を心がけることが大切です。とくに筋肉の動きに関係が深いカルシウムは乳製品や小魚類に、またマグネシウムは大豆食品(豆腐、納豆など)に多く含まれています。 頻繁に足がつる場合は、サプリメントや漢方薬を試してみるのもいいでしょう。漢方薬では、芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)が筋肉の痙攣性の痛みに効果があります。

原因3,足の冷え
夏場は、クーラーや扇風機などで寝ている間に身体を冷やすことで、冬場は、寒さによる冷えで足が冷えてしまいます。足が冷えると下肢の筋肉が収縮して緊張状態になり、急に足を伸ばそうとしてロックがかかってしまい、足がつることがあります。特に寝ようとする時や熟睡中、あるいは目覚めた時に足がつるという方は、足の冷えが原因かもしれません。
(対策3)靴下を履いたり、布団をしっかりかけるなど、足が過度に冷えないように工夫をすることで予防できるかもしれません。

原因4,足の動脈の血流障害
下肢の動脈硬化病変を呈していると、下肢への血流低下がおこり、足のつりを生じることがあります。特に、現在喫煙されている方や糖尿病がある方は要注意です。下肢の血流状態を簡易に計測することができるABI検査等を施行することをお勧めします。
(対策4) 血流を改善させる薬を服薬するか、それでも改善しない場合には、下肢血行再建(ステントもしくはバイパス手術)が有用かもしれません。かかりつけ医もしくは専門医にご相談ください。

原因5,足の筋肉疲労
普段寝ている時の筋肉は、ゆるんでいる状態ですが、昼間に運動などをして筋肉が疲れている場合、寝ている間も筋肉が緊張して痙攣を起こし、足がつることがあります。
(対策5)運動前後のストレッチは、運動中のケガの予防はもちろん、筋肉の疲労回復にも効果的です。特に久しぶりに運動をする時には、念入りに運動前後のストレッチすることをおすすめします。また、筋肉疲労の蓄積を解消するため、1日の終わり(夜間)にフットケアをしましょう。床に座って片膝を立て、(立てたほうの足の)ふくらはぎに手のひらを添えて、下(アキレス腱付近)から上(膝裏付近)へと軽くもみます。強くもむと筋線維を傷めやすいので、手を滑らせるようにしてやさしくもみます。電動のマッサージャーを使うと、両足を一緒に均等にもむことができます。

原因6,薬の副作用
薬には必ず何らかの副作用があると言われていますが、こむら返りの副作用が出やすいのは、主に高血圧の薬です。高血圧の薬にも種類がありますが、血圧が上昇しないように抑える薬を飲んでいると血圧が低くなるため、血行不良を起こしやすくなります。寒い時期は自然と血行も悪くなりますので、気温の低下と血行不良による体の冷えが原因でこむら返りを起こす事があります。高血圧の薬は敢えて血圧を下げますので、冷えからこむら返りを起こしやすくなると言われています。高血圧の薬には種類がありますし、他の副作用で苦しむ人もいます。また、利尿剤を毎日服薬している場合、体の中の電解質異常が原因で足のつりを引きおこしているケースもあります。
(対策6)体に合っていない場合は薬を変える事もできますので、余りにも頻繁にこむら返りを起こすようなら、一度医師に相談してみましょう。薬を休薬したり、効果は同じでも副作用の低い薬に変える事で、こむら返りを起こしにくくなるかもしれません。

原因7,甲状腺の病気
なかには病気の症状として足がつることがあります。原因となる病気にはいくつかありますが、その中の一つに「甲状腺機能低下症」があります。 甲状腺機能低下症とは、喉にある甲状腺という内分泌器官の機能が低下し、甲状腺ホルモンの分泌が不足してしまうという病気です。代表的なものが「橋本病」です。甲状腺ホルモンは、体を活動的にする様々な働きを持った重要なホルモンです。不足すると代謝が落ちてやせにくくなったり、元気が無くなりいつも疲れた状態になります。 血流も悪くなり、体が慢性的に冷えるようになります。冷えは足がつる原因になるということがわかっておりますが、橋本病になると足がつりやすくなるのもこのためです。 その他にも、肌や髪にツヤがなくなったり、汗をかかなくなる、むくむ、声がしゃがれるなどの症状が出ます。この病気の患者は女性が圧倒的に多く、中年以降の年代でよくみられ、しばしば更年期障害と間違われることもあります。
(対策7)医師に相談しましょう。専門的な診断・治療が必要になります。甲状腺ホルモンを補う薬が必要かもしれません。

原因8,加齢による筋力の低下
睡眠中に足がつる人は、年齢に関係なくいらっしゃいますが、特に中高年の方で多くいらっしゃるようです。中高年の方が足がつりやすい理由は、加齢による筋肉量の減少、脱水症状、動脈硬化による血行不良、薬の副作用など若い人に比べるとあらゆる原因が重なって足がつる可能性が高まるからです。また足がつることが慢性化したり、重症化しやすいのも中高年の方が多いです。
(対策8)ほんの少し日頃の生活を気を付ける(水分摂取や運動による筋力の維持など)だけで予防することが可能かもしれません。自分の生活を見直して足のつらないカラダ作りをしましょう。適度のスクワットをすると、足の筋肉量を維持するだけでなく、血流をよくして疲労回復にもつながります。両足を肩幅程度に開いて立ち、両手を前に伸ばし、ゆっくり膝の曲げ伸ばし(屈伸)をします。からだが前傾すると腰に負担がかかるので、両手の水平を保つようにしましょう。数回に分けてもいいので、1日で合計100回程度を目標に続けましょう。ただし、疲れが残ると逆効果なので、一度にやりすぎないようにしましょう。
(質問7)
65歳女性
両足首前面の浮腫あり、検診したが異常はないと言われた。
原因と改善法はありますか?
ご質問ありがとうございます。足の浮腫をきたすことは多く、またその原因も多岐にわたります。
人の体重は、約60%が水分です。水分は、細胞の内側と外側に分かれます。むくみは、血管内の水分(血漿)が血管外に漏れて組織液(間質液)が増え、バランスが崩れた状態をいいます。医学用語では浮腫(ふしゅ)といわれ、全身性の浮腫と、足など身体の一部に症状が出る局所性のむくみに分けられます。足のむくみの多くは、病気ではありません。長時間座りっぱなしでいるなど、同じ姿勢を長時間保ち続けると、体内の水分が重力に従って足の方に集まります。これが、むくみの原因となるのです。特に、脚の筋肉が落ちてくる中高年の方に多くみられます。この症状の場合、適度な運動をして脚の筋肉を鍛えることが改善策として有効です。この他、塩分の摂りすぎや暴飲暴食、睡眠不足、過労などの乱れた生活習慣もむくみの原因となることがあります。足のむくみが気になる場合、まずは自分の生活習慣を見直し、様子を見ると良いでしょう。むくみの多くは一過性のものであり、特に心配する必要はありません。しかし、中には病気が原因となっているものもあります。一般的には、全身性の浮腫は心臓、腎臓、肝臓などの内科的な病気が原因となり、局所性の場合は静脈・リンパ管の閉塞や炎症が関係しています。内臓疾患に起因した浮腫かどうかは、血液検査や尿検査また心臓超音波検査などで詳しく精査をする必要があります。
足のむくみのように局所的な症状の場合は、足の静脈の血流が滞って引き起こされています。ご質問にあります浮腫は、両足首の前面にある浮腫で、検診でも異常を言われなかったとのことです。おそらくあまり心配のいらない局所的な浮腫の可能性が高いと思います。日頃から足のマッサージを行ったり、弾性ストッキングの装着も効果的かもしれません。また、寝るときに足を少し高めにして寝ることにより改善するかもしれません。
大部分のむくみは生活習慣の改善などにより良くなるものです。しかし、むくみ以外の症状がともなう場合や、あまりにもひどいむくみが続く場合、病気が原因となっている場合もあるので病院を受診してください。むくみだけの症状の際にも、むくみの傾向や体重の変化によく注意し、異常を感じたらかかりつけ医に相談してみてください。
(質問8)
64歳女性
平成16年に大動脈弁置換時術(人工弁)を受けました。
人工弁の耐久性はどの程度ですか? 
人工弁には2種類あります。機械弁と生体弁です。機械弁は金属でできているためそれ自体が壊れることはありません。しかし、ワーファリンという抗凝固薬を一生飲み続けないといけません。一方、生体弁はウシやブタの膜でできており、ワーファリンを飲む必要がありません。
しかし10〜15年くらいから壊れ始めると言われています。患者さんの年齢や病状、希望によってどちらの弁を選択するか相談して決めています。
(質問9)
63歳女性、49歳女性
急性大動脈解離の救命率と予防を教えて下さい。
急性大動脈解離には緊急手術が必要な場合とそうでない場合があります。緊急手術が必要な場合の手術救命率は一般に90%くらいです。大動脈解離の原因には様々なものが考えられていますが、血圧管理や禁煙、ストレスを減らすなど心掛けましょう。
(質問10)
44歳男性
週刊誌で血圧やコレステロールの薬の危険性について話題になっていますが、必要性と危険性について教えて下さい。
心臓病や脳卒中などの予防のために、血圧や脂質(コレステロールなど)を適切に管理することはとても重要です。高血圧や脂質異常症(高コレステロール血症を含む)の方は、まずは食事や運動などの生活習慣を改善することから治療を行います。それでも改善が十分でない場合に薬を用いた治療が検討されます。薬を飲んでいる方、飲んでいない方に関係なく、血圧手帳などを活用して血圧を定期的に管理することが重要です。降圧薬は心不全や狭心症、不整脈など、血圧の治療以外の目的でも使用する場合がありますので、主治医の指示なく自己の判断で止めないようにして下さい。血液中の悪玉コレステロールと呼ばれる脂質が多くなると動脈硬化の危険性が高まり、心筋梗塞や脳梗塞が引き起こされやすくなりますので、コレステロールを下げる薬も主治医の指示に従って正しく服用することが大切です。
降圧薬の危険性については、副作用としては低血圧やカリウム等の変動、頭痛やほてりなど様々なものがあります。コレステロールを下げる薬は、種類によって筋肉痛や脱力感、尿の着色などが現れる場合があります。これらの危険性は個人ごとに異なりますので、いつもと違う症状が認められた場合は主治医もしくはかかりつけの医療機関を受診して下さい。
(質問11)
81歳男性
薬の副作用としてドライマウスはありますか?
ドライマウスの副作用は、抗うつ薬、向精神薬、抗アレルギー薬などで報告されていますが、抗不整脈薬や利尿薬でもまれに起こることがありますので、処方した主治医に相談して下さい。
ただ、ドライマウスは、糖尿病やシェーグレン症候群の前ぶれの場合もありますので、検査や治療が必要となってくることもあります。また、他のドライマウスの原因として、口呼吸、ストレスや生活習慣の乱れ、過度の飲酒・喫煙なども影響している場合がありますので、改善できる点があれば見直していくのが良いでしょう。
(質問12)
56歳女性 他
お酒と心臓病の関係を教えて下さい。
お酒は、体によい影響もありますが、量が多くなりすぎると血圧を上昇させたり、心臓の肥大や機能低下をもたらし、心筋症や心不全の原因となります。また、アルコール飲料のカロリーや、つまみの塩分にも注意が必要です。
ビールなら中瓶1本、日本酒は1合、ウィスキーはダブルで1杯までが病気のない一般の人の適量です。既に心臓病や生活習慣病をお持ちの方は、かかりつけの医師の指示に従ってください。
(質問13)
84歳男性
納豆と脳梗塞予防薬について
血液を固まりにくくするワーファリンというお薬は、ビタミンKを含む食品をとると薬の効果を弱めてしまいます。納豆は、ビタミンKを多く含むため控えて下さい。他にも、一部の健康食品には注意が必要となります。ビタミンKを多く含んでいる緑黄色野菜や海藻類などは、通常食べる量では問題ありません。
(質問14)
40歳男性
狭心症を予防するには具体的にどんな運動を勧めますか?
狭心症の診断がついている方は、必ず医師に相談してください。必要に応じて運動負荷テスト等を行い運動処方が出されます。処方に従って運動を行ってください。一般的にウォーキング(歩行)を中心とした有酸素運動をお勧めします。運動による血圧や脈拍が安定し、心臓への負担が少なくなり、狭心症の症状を和らげることが期待できます。また、健康で狭心症や心筋梗塞の病歴がない方が予防を目的とする場合は、準備運動、筋力トレーニング、有酸素運動(ウォーキング+早歩き、意気が上がらない程度のジョギングや水泳)など、ややきついかなと感じるレベルの運動を週に3〜5回をお勧めします。
(質問15)
45歳女性
弁膜症で経過観察中ですが、心臓に負担が少ない運動の仕方を教えて下さい。
労作時(特に坂道、階段など)の息切れ、呼吸困難感がない運動であれば、特に運動の制限はありません。基本的には筋力トレーニングよりも有酸素運動で、運動の強さをやや控えめに設定されてもよいかと思います。また、ウォーミングアップをより丁寧にやっていただくことで、運動時の心臓の負担が軽減されます。いずれにしろ、お身体の状態(弁膜症などの重症度)をきちんと把握するため、定期的に医師の診察を受けられて、運動を行うことをお勧めします。
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