
【回答者】
熊本大学病院心臓血管外科 教授 福井 寿啓、 熊本大学病院循環器内科 教授 辻田 賢一、
熊本大学病院循環器内科 講師 坂本 憲治、 熊本大学病院循環器内科 助教 潮 征爾、
熊本大学病院心臓血管外科 講師 岡本 健、 熊本大学病院循環器内科 特任助教 金澤 尚徳、
熊本大学病院循環器内科 准教授 海北幸一、 熊本大学病院循環器内科 診療講師 山本 英一郎、
熊本大学病院栄養管理部 栄養管理室室長 三島 裕子(敬称略)
たくさんのご質問をいただきましたが ホームページのスペースの都合上、
お寄せいただいた質問の中から選ばせて頂き、
お答えいたしております。どうぞご了承下さい。
ご質問一覧
- (質問1)
72歳男性
平成28年12月13日 大動脈弁狭窄症により生体弁への置換術を受けました。
福井先生に手術をしていただきました。本当にありがとうございました。
おかげさまで、3年目の今日しっかり生活できています。
手術についての手記を友人、知人に配布して、皆に知識を広めています。
これからも福井先生の益々のご健勝とご発展をお祈り申し上げます。 - ありがとうございます。今後も健康的な生活に心がけてください。
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(質問2)
77歳男性
僧帽弁の縫合術?何年もてるでしょうか?
平成28年2月僧帽弁閉鎖不全症の診断で手術を受けました。
手術後は胸に違和感と体力が衰えました。不整脈もあります。心配です。
(チクチクが胃と心臓の区別がわかりません) -
僧帽弁形成術を受けた方は定期的に心エコー検査を受けてくださっていると思います。
遠隔成績は良好で、再手術の頻度は10年で7-10%と言われています。
不整脈に対しては投薬やカテーテル治療が必要となってきますので、かかりつけの専門医に相談してください。
手術では骨を切開するので術後違和感が残存する方も稀ながらおられます。
適度な運動など取り入れて体力低下の予防につとめてください。 -
(質問3)
16歳女性
うしや豚でつくった生体弁は拒絶反応は出ないんですか? - 基本的に拒絶反応は起こらないとされています。
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(質問4)
74歳女性
大動脈弁狭窄症の手術を1年半前にしました。
お陰様で息切れもしなくなり快適な生活をしています。運動は何でも好きです。
術前にしていましたゴルフもして良いでしょうか?
また、大動脈弁置換手術をして4~5年経って、また手術ができるのですか? -
ありがとうございます。術後1年以上経過されておられますので、かかりつけの先生と相談した上でゴルフを行ってください。
大動脈弁置換術の再手術は少し危険率が上がりますが、基本的に行うことは可能です。 -
(質問5)
74歳女性
弁膜症と言われていますが、1年に何日位調べたらよいですか?
また、最近階段を上ると息苦しいです。 -
弁膜症の程度により異なりますが、年1〜2回は心エコー検査を行ってもらってください。
徐々に症状が悪化している場合、弁膜症が進行している可能性があると思われます。
かかりつけ医あるいは専門医に相談して精密検査を行ってください。 -
(質問6)
70歳女性
弁の手術をして10年になります。
今からどのようにしていったらいいのでしょうか。 -
術後、頻度が低いですが手術した弁の状態が悪化することはあり得ます。
定期的にかかりつけ医に心エコー検査を行ってもらってください。 -
(質問7)
44歳男性
手術の話がありましたが、保険適用されるものとしないものがあると思います。
本日お話しいただいたものはどうなのでしょうか。 - 講演会でお話しした手術は保険適応です。
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(質問8)
71歳男性
私は68歳で大動脈弁を生体弁置換したんですけど、15年以内に再度弁置換手術を受けることができますか?条件とかありますか?リスクも教えてください。 -
術後、頻度が低いですが手術した弁の状態が悪化することはあり得ます。
基本的に悪化した弁の再手術を行うことは可能で、安全に行えるようになってきました。
しかし全身状態が悪く危険性が高いと判断される場合にはご家族を含め十分相談したうえで手術を行わないこともあります。 -
(質問9)
77歳男性
(閉塞性肥大型心筋症患者における)有酸素運動の種類と量の目安 -
肥大型心筋症の中でも閉塞性肥大型心筋症は、突然死等のリスクの高い疾患です。
まず、入院精査の上、適切な治療方針(薬物治療、ペースメーカー、植え込み型除細動器、カテーテル治療,等)を決定することが大事です。
初期治療後に行うリハビリ、運動療法の後に適切な運動の目安が決まりますので、まずは循環器の専門機関の受診をお勧め致します。 -
(質問10)
66歳女性、30代男性
正しい食生活、適切な運動の具体的内容を知りたい。エアロビクス等の激しい運動は良いのか? -
まずは、健康診断や人間ドックなどで、現在の生活習慣病(糖尿病、高血圧、脂質異常,肥満、等)の程度をチェックすることをお勧め致します。
その上で,どのくらいの食事療法が適切か、医師から説明を受けて下さい。
心臓病や運動制限が必要な疾患(例えば整形外科的疾患等)にかかっていない、健常な人であれば、ある程度の激しい運動でも禁止されるものではありませんので、御自身の運動能力に応じてエアロビクスが可能であればやっても良いと思います。
健常人での適度な運動に関しても、個人の運動能力に依存するところが大きいのですが、目安としては、健常者であれば、一日あたり、8000−10000歩および20−30分程度のウォーキング(早歩き)が、一般的に知られている運動の指標です。
ただ、1度心臓病を起こしている人であれば、心機能低下の程度により可能な運動の範囲が変わってきます。
日本循環器学会のホームページ上に「心血管疾患におけるリハビリテーションに関するガイドライン」が掲載されていますので、御参照頂いても良いのですが、心疾患がある方は、循環器のリハビリテーション施設がある病院で、御自身の現在の心機能の状態を評価し、その上で,個人の運動療法のメニューを設定することが大事です。 -
(質問11)
55歳男性
歯周病から来る弁膜症について -
歯周病にかかっている人はそうでない人に比べ循環器病を発症しやすいことがわかっていますが、動脈硬化との関連性が主に報告されています。
すなわち、歯周病菌が、直接、血管に障害を与える作用に加え、炎症の起きた歯周組織で作られる炎症性サイトカインが血流を通じて心臓や血管に移動し、動脈硬化を引き起こすのではないかと考えられています。
歯周病が直接弁膜症を引き起こすかどうかは定かではありません。
しかし、例えば、歯周病から齲歯(虫歯)が悪化し、抜歯をしないといけなくなった場合、抜歯した際に菌が血液中に流れ込み、元々弁膜症を生じていた弁に付いてしまい、弁膜症が増悪することはあります(感染性心内膜炎と言います)。 -
(質問12)
48歳女性
タバコと飲酒はどちらが心臓に悪いと思いますか?
どちらを止めるべきでしょうか? - 明らかにタバコの方が体にとって有害です。飲酒は、一日あたり一合程度であれば、許容されます。禁煙が大事です。
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(質問13)
60歳男性
60才ですが、血管年齢が74才と言われました。
どうすれば血管年齢を若くできるか、また、改善方法を教えて下さい。 -
御自身の血管の動脈硬化が進行し、弾性を失い、固くなっていてその硬さが、74才の平均値と同じくらいということですが、若返らせることは難しいかもしれません。
これ以上の進行を少しでも予防するために、糖尿病、高血圧、脂質異常等の生活習慣病の是正、運動療法、食生活や運動による適正体重の維持、内服薬によるコントロールが必要です。
かかりつけ医に相談しましょう。 -
(質問14)
71歳女性
15年くらい前に動脈硬化があると言われていた。高血圧の薬も服用している。
昨年9月、胸の違和感があったので、心臓の検査をしてもらったら、血管が1/3程詰まっているが今は異常なしと言われた。甘い物の食べ過ぎ、とのこと、毎日が心配でならない。
10年くらいしたら必ず心筋梗塞か脳梗塞になると言われたのでこれからの減量など、教えて下さい。 -
まずは、健康診断や人間ドックなどで、現在の生活習慣病(糖尿病、高血圧、脂質異常,肥満、等)の程度をチェックすることをお勧め致します。
その上で,どのくらいの食事療法、運動療法、薬物治療が適切か、医師から説明があると思います。 -
(質問15)
75歳女性
コレステロールの薬で筋肉が壊れるという話を聞くが、その実態と、薬を止められる指標があれば教えて下さい。 -
ご質問の通り、脂質異常の治療の中で、特にHMG-CoA還元酵素阻害剤(スタチン)は、横紋筋融解症(筋肉が壊れる)が起こる可能性があります。
スタチン服用者において筋肉痛は、2~7%に生じ、筋肉が壊れたときに生じる血中でのCPKの上昇や筋力低下は 0.1%~1.0%に認められることが報告されています。
フィブラート系の薬剤もスタチン程の頻度ではありませんが、横紋筋融解症が起こる可能性があります。
通常、外来では、これらのお薬を処方した場合、筋肉痛が持続する場合は、内服を止めてもらいます。
また、処方開始の次の外来時に、採血にてCPK等の筋逸脱酵素の上昇がないかどうか確認します。
CPKの上昇があった場合も投与を中止することになります。 -
(質問16)
73歳女性
悪玉コレステロールの値が現在190前後。クレストール、リピトールなどのスタチン系の薬は副作用で飲むのを諦め何が良いのか模索中。
現在ゼチーア、コレバインの組み合わせです。家族も高い。 -
診断としては、家族性高コレステロール血症の可能性が高いですね。
生活習慣がすでに改善され、適正体重にも達成している状況で、スタチン系の薬剤が副作用で飲めず、ゼチーア、コレバインにてLDLコレステロールが190 mg/dL前後であると、次のお薬が難しくなりますが、最近はPCSK9阻害薬というお薬があります。
専門医へ相談してみて下さい。 -
(質問17)
68歳女性
今年の3月、夫が冠動脈バイパス術を受けた。長年コレステロール薬を服用していましたが、他の要因も大きいのでしょうか。 - 冠動脈の動脈硬化が進行する要因としては、脂質異常の他に、高齢、男性、喫煙、糖尿病,高血圧、肥満、等様々な因子が挙げられますので、これらの要因を全体的に抑えていく必要があります。
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(質問18)
44歳女性
主人が狭心症です。
私の祖父母、父が心臓病でした。私自身も高血圧のため、薬を飲んでいます。
将来、心臓病にならないか心配です。 -
狭心症や心筋梗塞等の虚血性心疾患は環境因子の影響が大きく、食生活も大きく関わってきます。
日々の食事、運動が大事ですが、まず、現時点で自分がどのくらい心臓病にかかりやすいのか、検診や人間ドックなどで確認し、しっかりと予防することが大事です。 -
(質問19)
70歳女性
冠攣縮性狭心症とはどんな心臓の病気ですか。日々注意することは? -
冠攣縮性狭心症は、心臓を栄養する冠動脈が一過性に収縮して血管内が狭くなることにより、心臓の筋肉に酸素が少なくなり、数分間以内の胸部症状(いわゆる発作)が生じる病気です。
日本人に多いと言われており、発作は、夜中や朝方の安静時や軽労作時に生じやすい特徴があります。
まず、診断をつけることが大事ですので、おかしいと思ったら、循環器の専門病院を受診して、診断を確定してもらって下さい。
数日間の入院が必要になることもあります。
冠攣縮性狭心症の診断が確定したら、冠攣縮を予防するお薬を飲むことで、発作はかなりの確率で改善します。
また、一般的な狭心症に対する動脈硬化の危険因子を抑制することと、ストレスや寒冷を避けることも大事です。 -
(質問20)
63歳女性
頸動脈のプラークは、治療によって正常にまで減るか?不整脈でカテーテル治療2回、コレステロールの薬は飲んでいる、血圧は低い、心電図は年1回とっているが、定期的に検査した方がよいか? -
頸動脈プラークが、脂質異常に対する薬剤や抗血栓薬によって正常にまで改善することはありませんが、ある程度減らしたり、安定なプラークに変化させることは可能です。日々の内服と生活習慣の改善に努めましょう。
また、カテーテル治療をして、コレステロールの薬を内服していても、再発したり、数値が良くならないこともありますので、定期的な検査が必要です。 -
(質問21)
78歳男性
糖尿病の合併症予防のため、バイアスピリン、ワーファリンを飲んでいる。
日常生活等注意すべき点は?例えばポリープ切除術を受けるときはどういう処置をすればよいか? -
糖尿病によって心臓病等の合併症を予防するため、バイアスピリン、ワーファリンを飲んでいるとのことですが、まず、糖尿病患者様の心臓病の一次予防としてのアスピリン服用は、65才以上の高齢者の場合、心筋梗塞の発症を抑えるというデータが出ていますが、全体的なデータとしては有効性は得られなかった、という結果になっていますので、既に虚血性心臓病にかかっている患者様には良いお薬になると思います。
糖尿病のみにかかっている場合、通常はワーファリンの内服はしませんので、心房細動などの不整脈あるいは、静脈血栓塞栓症を指摘されているのではないでしょうか?
これらの抗血栓薬を飲んでいる場合、注意しないといけないのは出血ですので、飲むことによって内出血がひどいときなどは担当医に相談して下さい。
ワーファリンは、ビタミンK依存性の凝固阻害薬ですので、ビタミンKを多く含む食事(納豆、緑黄色野菜、クロレラ、青汁、等)を避ける必要があります。
それと、定期的な採血検査で効き具合を確認する必要もあります。
ポリープ切除時は、バイアスピリン、ワーファリン内服時は、多剤への変更、量の調節、休薬が必要なこともありますが、最近は内視鏡学会のガイドラインで詳しい調節方法が記載されていますので、御自身で調節せずに担当医に尋ねてください。 -
(質問22)
79歳男性
妻の心不全発症から10年経過。現在4週毎に検査を受け、投薬がワーファリンを含め7種類。減らせないか? -
病状が長くなればなるほど、どうしても薬の量や種類も多くなります。
減らせるかどうかは、定期的な検査の中で心不全の状態を把握した上で判断します。
担当医に御相談下さい。 -
(質問23)
61歳女性
なぜ大動脈瘤で声のかすれや飲み込みにくさが出るのか -
声のかすれは動脈瘤で反回神経という神経が圧迫されることで起こります。
この神経は声帯の動きに関係しているため、圧迫されると声帯がうまく動かなくなって声がかすれます。
飲み込みにくさは動脈瘤で食道が圧迫されることで起こります。 -
(質問24)
61歳女性
家庭血圧は正常だが病院ではかると高い。血圧の薬を飲むべきか。 - 一度24時間血圧測定検査をしてみるのもよいかもしれません。かかりつけ医の先生と相談されてみてください。
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(質問25)
19歳女性
機械弁だとワーファリンが必要なのはなぜか。 -
血栓ができるからです。
できた血栓が血流に乗って飛んでいくと脳梗塞などの血栓塞栓症を起こすので、血栓予防のためにワーファリンが必要です。 -
(質問26)
19歳女性
大動脈解離は内膜と外膜の間に血液がたまるということですが、中膜はどこに行ったのか。 - 中膜は引き裂かれた状態になります。
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(質問27)
57歳男性
大動脈解離手術でステントグラフトと人工血管置換術の割合はどのくらいですか。 -
A型解離ではほとんどの場合人工血管置換術が行われます。
急性B型解離は大半が保存的治療を選択されますが、合併症を起こして手術が必要になった場合はステントグラフト手術を施行されることが多いです。 -
(質問28)
57歳男性
ステントグラフト手術のメリット、デメリット何ですか。 -
メリット:胸やお腹を切らず人工心肺や心停止が不要なので体への負担が少なく回復も早い。
デメリット:解剖学的に適応困難な症例がある。遠隔期に動脈瘤が拡大してくる症例がわずかながら認められる。 -
(質問29)
57歳男性
解離手術の入院期間、手術時間は? - 入院期間は2〜3週間、手術時間は術式にもよりますが4〜6時間程度です。
-
(質問30)
72歳男性
胸部大動脈が43mmあります。定期的に熊大でみてもらえますか? -
はい。これまでの経過にもよりますが、この大きさの場合、半年から1年に1回CT検査を行い、大きくなってこないかどうか確かめます。
拡大を防ぐには血圧をコントロールすることが非常に重要なので、かかりつけの先生とよく相談されてください。 -
(質問31)
51歳男性
大動脈瘤の手術後、イレウスになってしまったのですが、手術はせずに退院できました。
今後どのような症状が出たら受診したらよいでしょうか。 -
腹部大動脈瘤の術後でしょうか。
その場合、吐き気、嘔吐、おなかの張った感じ、腹痛といった症状が複数現れた時は受診したほうがよいでしょう。 -
(質問32)
73歳男性
大動脈解離でステントを2本入れています。
現在6カ月に1回CT検査をしていますが、何年もつのかお尋ねします。 -
ステントグラフト手術を受けられたとお見受けします。
ステントグラフト自体は何年でももちますが、ご自身の血管の変化(拡張、変形)やその他の要因によってステントグラフトによる治療効果が失われる可能性はあります。
その場合は追加治療(ステントグラフトや人工血管置換術など)が必要になることもあります。 -
(質問33)
16歳女性
大動脈瘤の手術でクリッピングやコイルを使う方法があると聞いたことがありますが。
体内に(血管内に)金属が入っていることによる障害はありますか。 -
クリッピングやコイルは脳動脈瘤に使われる方法です。
これらの金属が体内に残っていても通常はほとんど問題ありません。
ただし検査(CTやMRIなど)の際に画像に影響することはあります(アーチファクト)。 -
(質問34)
16歳女性
動脈瘤が破裂した場合、あまり時間がたってなければどんな手術をするのですか? - 動脈瘤破裂では原則、緊急で人工血管置換術などを行います。
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(質問35)
16歳女性
冠状動脈と冠動脈の違いは? - 同じです。違いはありません。
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(質問36)
16歳女性
心肺停止と心停止の違いは? -
「心停止」とは、「心室細動」、「無脈性心室頻拍」、「無脈性電気活動」、「心静止」という心臓が有効な循環を保てなくなっている状態を示す心電図分類上の言葉として主に医療従事者の間で使用されています。
「心肺停止」とは、反応が無く、正常な呼吸が無い状態(循環とガス交換が機能していない病態)を指す言葉として非医療従事者にも広く使用されています。
が、どちらもほぼ同義語と思っていただいて結構です。 -
(質問37)
40代女性
大動脈弁閉鎖不全症から大動脈瘤になった。
腹部や脳にできる可能性はある? - 基本的には関係ありませんが、腹部大動脈瘤、脳動脈瘤とも珍しい病気ではありませんので、できる可能性はあります。
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(質問38)
40代女性
大動脈瘤破裂や解離で意識を失って倒れた場合、心臓マッサージをされたら危険なのでは? - 呼びかけに反応がなく、呼吸もしていなければ救命処置としての心臓マッサージはしていただいてかまいません。
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(質問39)
69歳男性
4月に大動脈解離を発症しました。今後の療養と生活対応について。
手術はしていませんが、その必要性は? -
解離の状態(CT画像など)が不明ですのではっきりとしたことは申せませんが、まずは血圧が高くならないようにしてください。
食生活も、高血圧に対応した食事(減塩食など)にしていただき禁煙、減量も有効です。
血圧コントロールができていれば、運動や旅行を過度に制限する必要はないと考えますが、具体的なことに関してはかかりつけの先生と相談されてみてください。 -
(質問40)
59歳女性
父と母が腹部大動脈瘤で亡くなりました。私は今後どのようなことに気をつければよいでしょうか。 -
腹部大動脈瘤はエコーやCT検査で発見できますので、検診や人間ドックなどで調べてみてください。
対策はなるべく血圧を下げることです。禁煙や減量も有効です。 -
(質問41)
71歳男性
腹部大動脈瘤(33mm)と診断され様子を見ています。
検査は年1回です。日常生活でどういう風に気をつけたらよいでしょうか。 -
まずは血圧が高くならないようにしてください。
食生活も、高血圧に対応した食事(減塩食など)にしていただき、禁煙、減量も有効です。 -
(質問42)
上行大動脈肥大のため手術を勧められている。
手術によるリスク2%でも本人がしたくないということで放置していますが、近くの病院で検査はしています。
痛みは今までにないということですか、“ゲキツウ”? - 大動脈の拡大から破裂や解離を起こした場合、通常は今までに経験したことのないような激痛が起こるといわれています。
-
(質問43)
36歳女性
動脈解離の具体的な治療法や、どんなことに注意するか? -
治療法は主に3通りあります。
1.保存的治療---安静降圧療法
2.人工血管置換術
3.ステントグラフト内挿術
※注意すべき点------高血圧や動脈硬化が原因と考えられているので、血圧をなるべく下げることや、
正しい食生活、適度な運動を心がけてください。 -
(質問44)
73歳男性
3年前にバルサルバ洞動脈瘤と診断され現在年2回の検査で様子を見ています。
日常生活の注意点や異状を感じた時の判断やどうすべきかなどお尋ねしたいです。 -
高血圧にならないよう注意することです。
破裂した場合は胸痛や呼吸困難、動悸などの症状が現れますので、すぐにかかりつけの病院を受診してください。 -
(質問45)
58歳女性
義母が大動脈解離でなくなりました。早期に発見できる方法はあったのでしょうか。 -
大動脈解離に前兆はありません。
発症した場合は激しい胸痛や背部痛が現れますのですぐに病院を受診してください。 -
(質問46)
21歳女性
腹部大動脈瘤がある方がトイレで怒責している時、腹部マッサージをして良いか。
また座薬を挿肛した際、腹部を押したら排出できそうな時に腹部を押してよいか。 - 動脈瘤の大きさにもよりますが、少なくとも手術適応の大きさであればあまりおなかを押さない方がよいでしょう。
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(質問47)
21歳女性
腹部大動脈瘤の人は腹部マッサージをしても問題ないか - 少なくとも手術適応の大きさであればあまり腹部を押さない方がよいでしょう。
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(質問48)
55歳女性
脳動脈解離で入院し、薬でよくなりました。
大動脈解離のリスクは?関係のない別物ですか? -
脳動脈解離と大動脈解離は基本的に別物です。
リスクは高血圧ですのでしっかりと降圧治療を行ってください。 -
(質問49)
41歳女性
職場に大動脈解離後、復帰した仲間がいます。
どのようなことに気をつけたらよいでしょうか? - リスクは高血圧ですので、しっかりと降圧治療を行ってください。
-
(質問50)
67歳女性
狭心症、弁膜症、高血圧で治療中です。
ニトロ使用が何回かありましたが、使用するかどうか考えているとチクチクする痛みや軽い圧迫感がなくなります。
先生は使用しなさいと言われるのですが。悩みます。 -
症状があるときは使用してかまいません。
使用頻度が多くなってきたのなら一度、精密検査をしたほうがいいかもしれません。 -
(質問51)
67歳女性
肥満でなかなか痩せません。
今流行のバイブで筋肉を動かそうかと思っています。
心臓病があっても使用してもいいんでしょうか。 - 使用してもかまわないと思いますが、心臓病の状態にもよりますので一度かかりつけの先生と相談してください。
-
(質問52)
71歳女性
2月に拡張型心筋症と診断され、注意事項をいっぱい言われ、退院し現在通院中です。
生活指導も受けましたが本を読んでも心筋症の項はすくなく、今一どの程度用心するのか、無視してもよいのかの加減がわからずにいます。 -
拡張型心筋症についての情報は難病情報センターの“特発性拡張型心筋症(http://www.nanbyou.or.jp/entry/3985)の病気の解説を参照されてください。
生活の中で注意する点は心不全の生活指導に準じて1)体重を決められた毎日は測定する、
2)足のむくみや息切れがいつもと比べて強くないか評価する、
3)内服遵守、
4)塩分制限に留意する、以上4点を自己評価、確認を行いかかりつけの先生に状況を報告してください。
体重が2-3日で2-3Kg増加し、足のむくみや息切れがいつもより強い場合には早めにかかりつけの医師と相談してください。 -
(質問53)
59歳女性
VADが入っていてAEDは使用できますか? - AEDは使用可能です。しかし胸骨圧迫(心臓マッサージ)は原則行ってはいけません。
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(質問54)
61歳女性
先天性心臓病の手術をして約50年になります。
現在ペースメーカー植え込みや、不整脈、心不全の薬を服用し生活していますが、これから先どのような症状が出てくるのか不安です。
減塩食に気をつけながら、適度な運動を心がけています。 -
なかなか上記の情報から将来どのような症状が出てくる可能性があるかについて明確にお答えするのは難しいのですが、心不全増悪に注意が必要です。
足がむくんだり、息切れが強くなり体重が急に増加していないかを確認し、心不全増悪による入院を避けるためにセルフケアが重要と考えられます。 -
(質問55)
65歳女性
心サルコイドーシスについて、ステロイド薬内服していますが日常生活においてどんなことに注意したらよいでしょうか。 -
ステロイド内服中においては以下のような点に注意してください。
・免疫抑制状態にあり感染症にかかりやすい→手洗いを励行し人混みを避ける
・自己判断で中止、減量をしない→体の中のステロイドが不足し倦怠感などの症状が現れることがあります
・食欲が増えるので糖尿病や脂質代謝異常になりやすいので食事量をコントロールする
その他ご不明な点があれば処方を受けている薬局の薬剤師にも相談してみてください -
(質問56)
35歳男性
心疾患の緩和治療について教えてください。 -
心不全は徐々に悪くなり、生命を脅かす疾患です。また急性心筋梗塞により高度に心機能が傷害された結果、今まで元気であったとしても治療困難な心不全状態になるケースもあります。
最大限の心不全治療を行っても生活の質の著しい低下を伴う心不全や、日常生活を送ることが困難な場合、頻回の心不全増悪入院を必要としたり強心薬の点滴を必要もしくは離脱が困難な状況において患者さんと家族と相談し、症状の緩和を行うための緩和治療を行うことがあります。
心疾患における緩和治療はがんと異なり、寛解増悪を繰り返し心不全治療そのものが緩和治療の側面もあることから心不全治療が継続されます。この点は徐々に状況が悪化し、化学療法などがんの治療は行わない「がん緩和」と大きく異なる点です。また心疾患特有ですが突然死の可能性もあり正確に予後を予測することが難しいとされています。心疾患における緩和治療として心不全治療が適切に行われているか、介入ができる点がないかを再確認したのち、息切れなどの症状が強い場合には少量の麻薬を使用したり、不眠に対するお薬を使用したりします。また不安や抑うつを伴うことが少なくなく心療内科医と協力して治療に当たることもあります。植え込み型除細動器を植え込まれている場合には本人や家族、医療者と十分に話し合いを行い致死的不整脈が生じた場合の電気ショックを停止することも話し合っておく必要があります。
今後心疾患のみならず呼吸器疾患、腎疾患などがん以外の領域でも緩和ケアは重要になってきています。いずれにしても医療者と患者、家族がよく話し合い治療方針をよく話し合う、理解することが非常に大事であるといえます。 -
(質問57)
79歳女性
臓器提供の年齢は何歳まででしょうか。 -
基本的には臓器提供の年齢の上限はありません。
高齢の方でも病気で薬を飲んでいる場合でもどなたでも臓器提供の意思表示は可能です。
臓器を提供する意思表示は、15歳以上が有効ですが、実際の提供については本人の拒否の意思が無ければ、15歳未満でも家族の承諾があれば提供が可能です。
また、提供しない意思表示については年齢の制限はありません。 -
(質問58)
53歳女性
僧帽弁閉鎖不全症“軽度”の診断がありましたが手術はした方がよいでしょうか? - 軽度であれば手術の必要性はありません。経過観察の期間については担当の先生とご相談ください。
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(質問59)
21歳女性
糖尿病性ニューロパチーによる無症候性の心筋梗塞の場合、痛みはどのように感じますか。 -
狭心症や心筋梗塞の自覚症状は人それぞれであり、胸の締め付けや圧迫感だけではなく、背中の痛み、嘔気、首から顎にかけての痛みなど様々です。
そのため糖尿病性ニューロパチーの場合にどのような症状となるかについては一定の見解は申し上げにくいです。 -
(質問60)
生体弁の寿命はどれくらいですか。 - 一般的に10-15年で逆流や狭窄などのトラブルが出てくることがあり、場合によっては再手術を考慮する必要もあります。そのため年齢に応じて生体弁と耐久性に優れる機械弁を使い分けます。
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(質問61)
なぜ夜間は息切れが増加するのですか。 -
横になって寝ると重力で足の方にたまっていた血液が心臓に帰ってくるため心臓に負担がかかり息苦しくなります。
特に夜間このような状態になりやすく“発作性夜間呼吸困難”と称され、心不全に特異的な症状とされています。
このような場合には寝ているときよりも起きている、座っている状態が楽に感じます。
このような状況を起座呼吸といい、これも心不全に特徴的な所見です。
夜間に息苦しくなり座っているほうが楽な息切れは心不全の可能性があり注意が必要です。 -
(質問62)
42歳女性
心不全だと左心室より血液の拍出が低下すると血圧低下すると考えますが、上昇するのはなぜですか。(既往などはないとして) -
ご指摘のように心不全になると心ポンプ機能が低下するため血圧が低下する症例もあります。
一概に心不全になると血圧が上昇するわけではなく、塩分過多や過労、動脈硬化などは血圧上昇を来たし、結果的に心不全を増悪させる因子になることがあります。 -
(質問63)
大動脈瘤のステントグラフト挿入してもこぶはそのままですか?血は動脈瘤に流れ込んだりしませんか? - こぶはそのままですがステントグラフトを挿入することで瘤内に入り込む血液が遮断され、血管への圧力が低下し拡大や破裂を防ぐことができます。
-
(質問64)
83歳女性
心不全は血液検査でもわかると聞いたのですが、採血はどんな内容の検査でしょうか。 -
脳性ナトリウム利尿ペプチド(BNP)やNT-proBNPとよばれるものが心不全の診断や重症度判定に用いられる採血項目になります。
心臓に負担がかかると心臓から分泌されるホルモンです。 -
(質問65)
75歳女性
心不全と言われBNP値が上がっています。どんなことか知りたいです(BNP138→211) -
BNPが上昇することは心不全の悪化を懸念します。
しかしながらBNPは変動するために一概に上昇=心不全の増悪ともいえない場合もあります。
そのほか心不全を示唆する身体所見や胸部X線レントゲン写真、心エコー検査などを評価し総合的に判断することが必要になります。 -
(質問66)
69歳男性
検査で心臓が少し大きいと言われたけど心臓が大きいとはどういうことでしょうか。
原因は?バイアグラ等のEDの薬はなぜ心臓に負担をかけるのですか? -
胸部X線レントゲン写真で大きいと言われたのかもしれません。
一概にレントゲン写真で心臓が大きければ心拡大があるわけではありません。
心エコー検査で心臓の形態や機能を評価することが重要です。EDの薬は狭心症のお薬の中でニトログリセリンと併用することはできません。 -
(質問67)
80歳男性
本人は重症心不全で2回入院したが、3回目はどう施術すればいいのか伺いたい。即手術が必要か心配です。 -
心不全の治療においては基礎疾患(なぜ心不全になったのか)、増悪因子(心不全が悪化した要因がなんなのか)、心不全の重症度を元にして治療を行います。
一般的には3回目の心不全が前回と同様な状況であれば同じような治療を行うことが少なくありません。
手術の必要性については手術が必要な状況なのか、手術のリスクがどうなのかを考慮し総合的に判断します。 -
(質問68)
40代女性
心臓、肝臓、腎臓を痛めてしまい、以前のように動くこともできなくなりました。
運動を進められましたが、無理に動くと息切れがします。
現在いただいている薬は血圧を抑える効果があるらしく、立ちくらみがすごくあります。
このふらつきはいつ治るか心配です。動きたいのに動けない。
ものすごく歯がゆい思いですごしています。 -
血圧を下げるお薬はおそらくは血圧が高いため使用しているのではなく、心不全の治療目的に使用されていると思います。
しかしながらふらつきおよび立ちくらみが血圧低下によるものであれば減量する必要があるかもしれません。
運動については息切れが強く休憩したいと思う程度の運動は過負荷である可能性があります。
軽く息が弾む程度の運動にとどめた方がよいと思います。 -
(質問69)
58歳女性
1)R波増高不良、2)三尖弁逆流症(日常生活支障なし)
と今年の2月の人間ドックで指摘を受けましたが…
1)2)とはどのような状態で、原因、今後どのように気をつけるべきかご教授いただければ幸いです。
私自身とりわけ自覚症状がありません。血圧は正常です。 -
R波増高不良の場合には心筋梗塞による心機能の低下の可能性を考えますが、心エコーでは指摘はないようです。
心エコー検査で異常がない場合でもR波増高不良はしばしば認められます。
三尖弁逆流が高度でなければ特に治療する必要はありません。 -
(質問70)
62歳女性
昨年BNPが1200以上あります。毎月検査をしていますが特に注意することがありますか?肥大型心筋症にて不整脈、心不全があります。 -
肥大型心筋症の場合にはBNPは経験的に高めに出ます。
もともとBNPが1200前後で長い間推移しているのであれば、それを“ご自分の平均BNP”と捉えられ、この値と比較してBNPが上昇している場合には心不全増悪の可能性を念頭に置いていただければよいとおもいます。 -
(質問71)
69歳男性
心臓移植手術で提供できる年齢は? - 心臓移植申請は65歳まで可能ですが、実際には60歳以上の場合には、60歳よりも若い患者様に優先的に心臓移植を実施ししている、またドナーは慢性的に不足しており、実質的には60歳以上のケースが心臓移植に到達できる可能性が極めて低いです。
-
(質問72)
23歳女性
VAD患者はどこまでの労作、運動が可能なのかお聞きしたいです。 -
患者さんの状態にもよるのですが、CPX(心配運動負荷)の結果を参考に無理のない範囲での労作や運動を推奨しています。
競技性の高いスポーツおよびコンタクトスポーツはおすすめできません。 -
(質問73)
34歳女性、52歳女性、その他
どうして美味しく濃い味で食べると体に悪いのでしょうか。
また、高血圧の診断を受け薬も飲んでいますが、なかなか食生活を改善できません。
食生活の減塩方法などについて具体的に教えてください。 -
塩分は人間が生きるために不可欠ですが、摂りすぎると高血圧などの生活習慣病の発病リスクが高まるおそれがあります。美味しく濃い味で食べるということは、塩分が多い食事につながりますので高血圧などの生活習慣病発症を予防するためにも減塩に取り組むことは大切です。
高血圧の方の目標の食塩量は、1日に6gです。味噌汁1杯でも約2g程度の塩分がありますので、うっかり取り過ぎてしまうということにもなりかねません。
料理では、昆布や椎茸など天然のだしで旨味をきかせると減塩でも美味しく食べることができます。また、酸味や香味野菜、香辛料を使うことで味にアクセントを持たせることもできます。ご自分の食習慣にもよりますが、食塩の多く含まれる漬け物や加工品の使用を控え、汁物は回数や量を減らすなど取り組みやすそうなことから始めてみられたらどうでしょうか。具体的なアドバイスについては、かかりつけの病院などで管理栄養士にご相談されると良いと思います。 -
(質問74)
32歳女性
仕事が忙しいとどうしても夕食の時間が22時を過ぎ、ストレスから暴食(特にお菓子、アイス)もしてしまいます。
また、夕食時間が遅い場合は、食事の量やメニューはどのようなものが良いでしょうか。 -
仕事が忙しいと、つい夜遅い時間の食事になりがちです。
夜遅い時間の食事は、昼間の時間の食事に比べて活動量が低く内臓脂肪を蓄積しやすくなります。
また、翌朝の食欲不振や欠食に繋がり、その結果、間食や昼食、夕食の食べ過ぎになり内臓脂肪の蓄積を助長することになります。
対策として、@食事時間を決める(〇〇時以降は食べない)A夜遅い時間の食事量を減らす。特に消化に時間がかかる油っぽい料理は避け、消化のよいものを食べる。B夕方にサンドイッチやおにぎりなど軽食をとり、帰宅後は野菜中心のメニュー(スープなど)にすると良いでしょう。
食事は楽しみでもあり、心を満たしてくれるものでもあります。甘いものなどご褒美としてとることもあると思いますが、大切なことは取り過ぎないことです。 -
(質問75)
59歳男性
食事制限と運動を行っておりますが、お酒はどれくらいまで飲んでよいのでしょうか。 -
高血圧症治療ガイドラインでは、1日当たりの飲酒量はエタノール換算で男性20〜30g以下、女性10〜20g以下です。
エタノール20gの目安はビール500ml、日本酒1合、ワインなら約180mlです。 -
(質問76)
67歳男性
動脈硬化を防ぐには、どのような食事をすると良いでしょうか。 -
動脈硬化を防ぐためには、まずは過食を抑え標準体重を目標にしましょう。
食事のポイントは、コレステロールと飽和脂肪酸を多く含む肉の脂身や乳製品、卵黄の摂取を控え、EPA、DHAなどが含まれる魚類や大豆製品の摂取を増やすようにしましょう。
しかし、魚卵や子持ち魚はコレステロールが多いので捕りすぎないように注意が必要です。基本的にはバランスの良い食事が大切ですので、食物繊維の多く含まれる野菜や海藻類、きのこ類などバランス良く摂取し、薄味にすることも心がけましょう。 -
(質問77)
66歳女性
身体の事を考え、食事に麹を摂るようにしていますが、良いものでしょうか。 -
麹など発酵食品は私たちの日頃の食生活においては欠かせないものです。
特に最近は塩麹などを作る方も多いようです。塩麹の原料は米麹、塩、水です。
そのため塩と同じ分量の塩麹を調理に使っても、麹と水の分だけ塩分は抑えられていることになります。
また、麹はたくさんの酵素を含んでおり、麹が作り出した発酵食品を食べることで、発酵の過程で生まれた酵素、またその酵素に含まれる豊富な栄養素を摂取することができます。
肉や魚を軟らかくする効果や食材に旨味や甘味を与える効果もあるようです。
調味料の一つとして上手に利用されることをおすすめします。 -
(質問78)
69歳女性
主人がペースメーカーを入れました。今後食事にどのように気を付けたら良いでしょうか。 -
ペースメーカーを入れたあとの食事についてですが、特に制限はないと思います。
しかし、一般的な食事管理と同様で暴飲暴食を避け、塩分の取り過ぎには注意した方が良いでしょう。 -
(質問79)
33歳女性
塩分の取り過ぎは良くないと認識出来ました。糖分の代替は良くありますが、塩分の代替はありますでしょうか。 -
出し割り醤油や減塩醤油、減塩味噌など通常より塩分が50%カットされたものが市販されています。
最近は、食塩も50%カットされたものが市販されています。
塩味は食塩と同じようですので、普通の食塩と同じ使い方で減塩にすることが可能です。
しかし、この食塩はカリウムが含まれていますので、腎臓病のかたは医師にご相談の上使用してください。 -
(質問80)
40代男性
狭心症は治るのですか?
37歳から狭心症の治療をしているが多量の薬を飲んでいてどうにかならないでしょうか。
減らせないので悩んでいます。 -
狭心症の基本はまずお薬、その上でカテーテル治療やバイパス治療を検討します。
第一に狭心症の症状をとる(治す)のが目的です。
薬に関しては、ステントで治療した結果、再発予防のために必要になる薬もありますし、治療により薬を減量できる場合もあります。
狭心症のタイプによっても異なりますので、主治医の先生に相談されることをお勧めします。 -
(質問81)
80代男性
糖尿病患者です。あらゆる病気を引き起こす生活習慣病であると自覚していても食生活を変えることが難しいです。
カテーテル手術4回、現在8年ほど病気はしていません。
検査はしています。このままでいいでしょうか。 -
おっしゃるように糖尿病は動脈硬化の原因になるので注意が必要です。
8年ほど良好に経過しておられるようで、今後は新たな狭心症が発症しないよう厳重な管理が必要です。
かかりつけの先生に糖尿病の管理と同時に他の危険因子(動脈硬化を進行させる要因)のチェックも継続してもらう必要があります。 -
(質問82)
30代男性
カテーテル手術とバイパス手術のそれぞれに適した患者像を教えてください。 -
急性心筋梗塞の場合、治療に急を要します。
バイパス手術は準備にやや時間がかかるため、カテーテル手術が選択されます。
急ぐ必要がない場合(狭心症)は、治療すべき狭窄が何箇所あるか、カテーテル治療で十分な治療が可能かどうか、糖尿病があるかなど総合的に判断、予想される成績を比較した上で、どちらの治療法が適切か検討します。
年齢や他に合併する病気なども考慮して、バイパス手術に耐えられるか、あるいは、ご本人の希望なども選択の根拠になる場合があります。 -
(質問83)
50代男性
狭心症で治療2回、ステント4本入れました。
運動はどの程度ならいいのでしょうか。強さや内容など教えてください。 -
ステント治療の結果、冠動脈に狭窄がなくなった状態であれば、運動の制限はありません。
むしろ運動は再発予防のために勧められています。
一方、過去の心筋梗塞の影響で心臓の一部が壊死して心不全を起こしている場合には、運動制限が必要な場合があります。
個々の患者さんで制限の必要性や程度が異なるので主治医に相談してください。 -
(質問84)
70代男性、60代男性
ステントを複数本入れています。ステントの寿命はありますか?
ステント挿入後の平均寿命は15年位と聞いたことがあります。医学的な常識でしょうか? -
ステントの内側がまた狭くなる現象は数ヶ月後に起こり得ます(再狭窄)が、ステント自体の寿命はありません。
ごく稀に心臓の動きに合わせて折れたり潰れたりした例は報告されていますが、時間が経過すると寿命がくるというものではありません。 -
(質問85)
60代女性
狭心症、カテーテル手術、バイパス手術は腎臓病との関連性ありますか? -
腎臓病があると狭心症や心筋梗塞になりやすいことが知られています。
またカテーテル治療やバイパス術への反応も不良(再発が多い)であることが知られています。 -
(質問86)
60代女性
以前のことですが、胸と背中を同時にきつく押されるような痛みが10-15分位続いたことが2-3回ありました。
内科医院では心電図をとりましたが異常なしとのことでした。
心臓病なのでしょうか。 -
発作の最中の心電図が確認できれば、その症状が狭心症によるものか明らかになることが多いですが、症状がなくなった後の心電図では狭心症の診断は困難です。
運動負荷心電図やホルター心電図など、症状のある場面での心電図を確認する検査があるので、主治医に相談してください。 -
(質問87)
70代男性
5.6年前に急性心筋梗塞で左心室の1/3が壊死しています。
この壊死の部分はこのまま放置して良いのでしょうか?腐敗したり癌化したりしないのでしょうか。
血圧は夏場になると下がる傾向にあるのか。また100を切ったらよくないのか。
100を切るとふらつきが出てくるように感じます。 -
「壊死」という表現から不安を感じていらっしゃると思いますが、腐敗したり癌化することはありません。
「壊死の部分は収縮ができず、心臓の仕事の役に立たない」というイメージです。
夏場や入浴後などには手足の血管が開いて血圧が下がる傾向があります。
一次的に100を切っても症状がなければ緊急の対応は不要ですが、ふらつきが低血圧の影響であれば、内服薬を調整する必要があります。 -
(質問88)
50代女性
母が胸が痛くなるのに心臓病でないし、血管も綺麗だと言われていました。
その時はニトロを与えられていましたが、あまり効かないようでした。
最近はニトロのスプレータイプをもらっていて、使うと痛みが取れるそうです。
母の心臓はどのような状態なのでしょうか。 -
狭心症には冠動脈に脂が溜まって狭くなる器質的狭窄が原因のタイプの他に、冠動脈に痙攣が起こって一次的に狭窄するタイプの狭心症(冠攣縮性狭心症)があります。
「血管が綺麗」というのが確認されていれば後者の可能性があります。
一方で、ニトロが効かない場合には、心臓以外の原因で胸痛が起こっていた可能性があります。
最近ニトロスプレーが効くようになったのであれば、狭心症が進行(狭窄にしても、冠攣縮にしても)してきた可能性もあります。
使用する場面が増えてくるようであれば主治医に相談してください。 -
(質問89)
70代女性
虫歯菌が心臓と関係していると聞きましたが、どんなことでしょうか。 -
虫歯菌に限らず、長期間続く「炎症」は血管の内側を傷つけて狭心症など心臓の病気を引き起こす可能性が報告されています。
また、虫歯をはじめとした口の中の細菌が血中に入り、心臓の中の弁に付着して弁を破壊して心不全を発症する「感染性心内膜炎」という病気もあります。 -
(質問90)
60代女性
肥満の心臓に対するリスクはどれほどなのか。狭心症は遺伝するのかどうか。 -
肥満の程度により2倍程度まで増加しますが、報告は様々です。
肥満はリスクの一つではありますが、他にも年齢、高血圧、糖尿病、喫煙、家族歴(遺伝)、高コレステロール血症、腎臓病などもリスク(危険因子)とされており、肥満に他のリスクが重複することで危険度が高くなります。
遺伝も同様で、血縁の方に病気があるだけで心臓病になるとは言えません。
一般にはリスクを3つ以上持つと危険と言われており、リスクを少しでも減らす(禁煙する、体重をコントロールする、薬で調整する)ことが重要です。 -
(質問91)
70代女性
息切れで冠動脈に狭窄があると診断され、ステントを入れて狭窄は改善されましたが症状は続いています。
心臓エコーなどでは異常はありません。
悪いのは肺でしょうか?タバコは吸いません。 -
冠動脈の狭窄が改善したにも関わらず、症状が改善しない場合、心臓以外の原因として肺の病気の可能性は考える必要がありますが、冠動脈以外の心臓病、例えば心臓の筋肉の病気(心筋症)や弁の病気(弁膜症)から心不全を起こしている可能性もあります。
かかりつけ医や循環器内科医に相談してください。 -
(質問92)
70代女性
現在毎日朝、胸の痛みで目が覚めます。3年前にカテーテル済。
その時から胸の痛みの原因がわからず、今現在どうしていいのか、このままでいいのかわかりません。
病院では異常なしとのことです。 -
カテーテル済とのことで、朝方に起こる胸痛の原因として上述した冠攣縮性狭心症の可能性はあります。
一方、心臓以外の病気で胸痛を起こすこともあります。
毎日のように発作が起こるとのことで循環器内科医に相談してください。 -
(質問93)
70代
急性心筋梗塞でお世話になったのですが、退院後の生活に心がける事を教えて欲しいです。
どこまで用心していいのかわかりません。 -
心筋梗塞の結果、どの程度心臓にダメージが残ったかによって退院後の制限が異なります。
心筋梗塞の治療を受けた病院、あるいはその情報を受け取っているかかりつけ医で相談してください。
必要な内服薬を継続するのは心がけるべき事の一つです。 -
(質問94)
50代男性
昨年、心筋梗塞の手術を受けましたが、再発の可能性は何%程度でしょうか。
またカテーテル治療とバイパス手術とどちらが効果的でしょうか。 -
心筋梗塞後の再発率は10〜10数%とも言われますが、糖尿病の有無、腎臓病の有無、心臓のダメージの大きさ、何度目の心筋梗塞か、お薬をしっかりと飲めていたか、など沢山の要因が関わります。
カテーテル治療とバイパス術のどちらが効果的かに関しては、病気の数や場所、糖尿病の有無などにより事前に判断できる場合が多いです。 -
(質問95)
50代女性、70代女性
先月、母が急性心筋梗塞でなくなりました。
前日まで笑顔で会話していて高血圧くらいで他に病院にかかったことがなかったので前兆を見逃したことを大変後悔しています。
どういう特徴があるのか教えて欲しいです。
心臓の障害の際の前駆症状の事例が紹介されましたが、他にもありましたら紹介して欲しいです。
左肩背部にモヤモヤとした感じがあるのは、何の前触れと考えたら良いでしょうか。 -
お母様のご冥福をお祈りします。
心筋梗塞を発症する前に前兆の症状を感じる人は3-4割と言われています。
前触れなく突然発症する方のほうが多いのが現状です。
前兆として胸痛、胸痛の頻度の増加、発作閾値の低下(より軽い動きで発作が起こるようになる)などが知られていますが、肩や歯の痛み、吐き気などで発症する場合もあり、残念ながら事前に気づくことが難しいこともあります。 -
(質問96)
70代女性
狭心症を発症して4年になり、今年3月と4月に症状がありました。
狭心症の薬を飲んだほうがいいですか?あまりに間があるのでどうしたらいいでしょうか。 -
狭心症以外にも胸痛の原因になる病気があります。
現在の症状が狭心症によるものであれば、薬を飲む必要があります。
発作の間隔が短くなってきた場合には、早めに専門医の診察を受けてください。 -
(質問97)
30代女性
同居人が狭心症を患っており、発作を2回ほど見かけたことがあります。
その時は何をどうしていいかわからず、ただ見守るだけでした。
今後そのような場合どうしたら良いでしょうか。 -
狭心症と診断されているのであれば、ニトロ(ニトログリセリン)を手元に準備しておく必要があります。
発作の際には、ためらわずにニトログリセリンを使用し、医療機関に相談に行かれるよう周囲の方も心がけてください。 -
(質問98)
50代男性
怒ったり興奮したりする事が、狭心症や心筋梗塞の原因になったりしますか? -
怒ったり興奮したりすると血圧と心拍数が急上昇します。
冠動脈に狭窄がある場合、血圧や脈拍の増加が狭心症(胸痛)の原因になり得ます。 -
(質問99)
60代男性
昨年、狭心症と診断され、3回手術(カテーテル)をしました。
定期的に検査を行っており、現在は血液は順調に流れています。
狭心症を起こしたことで寿命は短く限定されるものでしょうか。
きちんと検査を受けて入れば長寿は可能でしょうか。(服薬中の薬の記載あり) -
狭心症で死亡することはありません。
きちんと検査を受けて、心筋梗塞予防のための薬を内服していれば長寿は可能です。 -
(質問100)
60代男性
昨年より狭心症になり、かかりつけは内科の先生。専門は消化器内科です。
狭心症の他に骨粗鬆症、コレステロール等で見てもらっています。
狭心症の時もすぐに対応していただき専門の大きな病院に紹介して頂きましたが、やはり心臓専門の先生(循環器科)にかかりつけを変えるべきでしょうか。 -
狭心症の治療をカテーテルやバイパスで終えた場合、その後は飲み薬での治療(再発予防)になります。
厳密には専門が違っていても十分対応していただけます。
ご経験されたように、専門的な判断や治療が必要な場合では専門施設に紹介してもらえますので遠慮なくご相談されてください。 -
(質問101)
70代男性
元々無症状性狭心症の診断です。
過去にステント術を受け1年に1回経過観察で受診しています。
手術担当医の転勤に伴って近医の循環器専門医に変更し、定期的に心電図、胸部写真、血圧脈波検査を受け、診察時には聴診、脈拍を見てもらっています。
50%狭窄の部位が残っていると手術担当医から言われているが、昨年の定期受診では特に心配ないと言われました。
手術した病院では1回/年の造影CTをされていたので、自分としてはそのCTを受けたいと思っている。
現在の担当医もよく説明してくださるし、造影希望時は紹介しますと言われている。
過去に小さい脳梗塞を起こしており、こちらも心配で造影CTを受けたほうが良いかどうか。 -
ステント治療を受けた後に、最も再発が多い時期は数ヶ月間です。
このため1年以内を目処にCTなどで確認をする場面は多いです。
しかしながらCTにも被曝(放射線を浴びること)の問題があるため、CTの頻度が多ければ安心かと言うとそうではありません。
近医に移られた際には今後の予定が説明してあると思いますので、現在の担当の先生に相談してください。
通常は年に1回の造影CT検査を継続して行うことはありません。 -
(質問102)
74歳女性
兄が二人ともペースメーカーを入れています。心臓が弱いのは遺伝するのでしょうか? -
心臓病の中には遺伝するものもあります。
ペースメーカーの家族歴が多い方の中にも遺伝性の疾患がある場合があります。
しかしながら多くは遺伝とは関係のない場合がほとんどです。
特殊な遺伝子検査をすれば遺伝性の疾患であることが判明する場合があります。 -
(質問103)
74歳男性
ICDの植え込み手術を受けましたが、設定心拍数の60/分を下回って37/分くらいしかないことがあります。
大丈夫でしょうか? -
ICDやペースメーカーが60/分の設定となっていても期外収縮という脈がとぶ不整脈が生じていると、自宅の血圧計や検脈では脈が抜けて少なくみえる場合があります。
病院を受診されICDやペースメーカーなどの機械の方に問題がなければ、この期外収縮という不整脈が生じている場合が予想されます。
自覚症状がなければ放っておいても大丈夫ですが、自覚症状が強いときには不整脈を抑えるお薬の治療の適応である場合があります。
しかしながら不整脈があってICDが植込まれているかと思いますので、すでにお薬は飲まれていませんでしょうか。
その場合はお薬の変更や増量という方法もあります。 -
(質問104)
68歳女性
以前、定期健診で不整脈があると言われ、カテーテル治療を勧められたが、動悸などの自覚症状がないため、行っていない。
今後の生活にどうかかわりますか? -
不整脈の疾患次第ですが、カテーテルを勧められたということでしょうから治療をした方がよい不整脈ではないかと思います。
カテーテルアブレーションによって根治が得られる不整脈は数多くありますが、不整脈となってから年数が経つと治りが悪くなっていく不整脈もありますので、早めに一度カテーテルアブレーションを行っている専門医療機関を受診され、そこでアブレーションをするのか、もうすこし様子をみるのか専門医と相談されることをお勧めします。 -
(質問105)
心房細動で薬を2種類内服していますが、その後、時折、両肩から後頭部の重みを感じ、めまいがします。
心房細動とは別の病気でしょうか? -
心房細動に対する薬物治療で、かえって心拍数が遅くなるとめまいが生じることがあります。
ただし、めまいの原因はさまざまありますので、心房細動とは関連のない症状である可能性もあります。
めまいが出ている瞬間の心電図の記録ができれば心房細動によるものなのか他の原因なのか判別がつきますので、症状が出た際にお近くの医療機関を受診されて心電図検査を施行されてください。 -
(質問106)
75歳男性
30年前に健診で不整脈があると言われ、5年前に弁膜症と言われ手術が必要とまで言われましたが、他院へ紹介となり、そこでは結局弁膜症の手術までは必要はないとのことで現在もフォローアップ中。
マラソンなど行えているが、不整脈は持続中。
血液サラサラ薬を飲みながら今後もマラソンを続けてよいか?
また弁膜症は本当に手術をしなくてよいか? -
不整脈は30年前から続いているのであれば、これまでもどうもなかったように今後もこのままでよいと思います。
30年続いているのであれば恐らく今後も止まらないと思います。
しかしながら血液サラサラ薬さえ飲んでいれば、通常の日常生活もできますし、運動も続けてよいと思います。
弁膜症も日常生活に支障がなければ今後も経過観察でよい可能性が高いと思われますが、御心配であれば、かかりつけ医より紹介状を書いてもらって大学病院を受診されてください。 -
(質問107)
62歳男性
数年前に心房細動と言われ、血液をサラサラにする薬を飲んでいます。
何か積極的な治療をした方がよいでしょうか?糖尿病の治療もしています。 -
心房細動が発症してから数年であれば、カテーテルアブレーション治療でまだ治せる可能性も残っていると思います。
しかしながら自覚症状がなければこのまま様子を見られることも間違いではありません。
カテーテル治療を行ってもまだ発作が少し残る可能性もありますので、そういった場合に備えて血液サラサラ薬はどのみち続けておかなければならない可能性も高いと思います。
心房細動の状況や心臓そのものの状態、糖尿病以外の併存疾患の状態次第でも治療が可能かどうかも変わりますので、治療の話をお聞かれになりたいようでしたら一度心房細動のことをよくご存じのかかりつけの先生にこれまでの状況を紹介状に書いていただいて大学病院に御相談ください。 -
(質問108)
69歳女性
動悸はどのくらいの時間みますか?ほんの数秒です。 -
数秒程度の動悸であれば通常は命にかかわることはありません。
動悸の頻度がどの程度かによりますが、1日数回とかであれば気にされないことをお勧めします。
しかしながら短い動悸を頻繁に繰り返しているようであれば、一度24時間心電図を装着し、精査をされることをお勧めします。
結果次第で症状も強いということであれば治療の対象となることもあります。
多くの開業医、循環器内科クリニックで24時間心電図は行うことができると思います。 -
(質問109)
50歳女性
クライオバルーンによるカテーテルアブレーション治療の効果を知りたい。
再発する可能性や再発した際も同じカテーテルアブレーションをするのか?
年齢的にいくつまで可能か?血管がもろくても大丈夫か?薬をのんでいても出血の心配はないか? -
クライオバルーンによるカテーテルアブレーションの治療効果は通常のカテーテルアブレーション治療と同等で1回の治療で約8〜9割の方が治っています。
1〜2割の方は1回目で治療をした場所が再発してまた不整脈が起きたり、別の原因が生じて不整脈がまた起きたりしますので、2回目の治療としては再発をしている場所だけを治療したり、新たな原因を治療したりします。
2回目以降はその個所のみを治療していきますので、通常はバルーンではなく、ポイントポイントを焼くための通常のカテーテルになります。
カテーテル治療には年齢的な制限はありませんが、治療に耐えられるだけの体力もいりますので、お元気に日常生活を自立して送れていることが条件でしょう。
熊本大学病院では最高90歳の方に行ったこともあります。
ただ、年齢とともに血管も脆くなってくるかもしれませんので、治療に伴う出血のリスクも多少は上がるかもしれません。
しかしながら実際は出血性合併症はほとんどなく、血液サラサラ薬を飲まれたままでも治療は行えています。 -
(質問110)
66歳男性
三浦雄一郎さんの不整脈について、カテーテル治療を7回も受けている。
このことについての代案と今後の見直しを知りたい。 -
他病院での治療ですので、詳細は存じ上げませんが、三浦雄一郎さんは心房細動と聞いています。
これに対するカテーテルアブレーション治療は通常多くても3回、4回程度までで不整脈が治ることが多く、それでも治らなかった場合は薬物治療を併用しながら様子をみることがおおいと思います。
ただエベレストに登られるため、薬物治療を使用せずに不整脈の根治を目指されたのではないかと思います。
心房細動の原因が複雑で複数個所から不整脈が発生している方が中にはおられます。
この場合カテーテルアブレーション治療ですべての発生個所をすべて廃絶できないこともありえます。 -
(質問111)
80歳男性
徐脈性の心房細動、夜間に気持ちが不安定になる。 -
徐脈性心房細動であっても症状がなければ経過観察していただいて構いませんが、めまいやふらつき、気が遠くなる、意識消失などを来すようであれば問題です。
徐脈が原因で気持ちの不安定さが出現しているかどうかはわかりませんが、徐脈が原因で上記症状が出現しているようであればペースメーカー植込みを行うほか、解決策はありません。 -
(質問112)
80歳男性
ペースメーカーを入れる場合、どう生活に注意したらよいでしょうか。
またどのような利点や欠点がありますか? -
最近のペースメーカーは入れてもほとんど日常生活に支障なく生活をすることができます。
植込んだ側の腕を振り回したりすることは多少控えなければなりませんが、電化製品もほとんど問題なく使え、携帯電話も使うことができます。
利点は徐脈性不整脈によるめまいやふらつき、気が遠くなる、意識消失をするといった症状の改善が得られることで、欠点はそういった多少の生活制限を受けるかもしれないということになるかと思います。
時々ペースメーカーの電線が経年劣化で断線したり、ペースメーカー創部に感染症を起こしたりすることもありますので、入れる場合はしっかりと適応を見極めて入れる必要があります。 -
(質問113)
67歳男性
不整脈があり、血液サラサラにする薬を飲んでいますが、色々と不都合(ケガ、飛蚊による出血など)を感じています。
カテーテルによる手術があると聞いていますが、事前の検査、手術の難易度、術後の再発、注意点などを伺いたい。 -
血液サラサラ薬を飲まれているということは不整脈は心房細動ではないかと思いますが、いつから心房細動になられていますでしょうか。
心房細動のカテーテル治療は発症1年以内であれば比較的治る見込みが8〜9割と、高いとされておりますが、発症後(正確には持続するようになって)1年以上経っていれば、治らないこともあります。
また心房が高度に拡大している場合も同様です。
カテーテルアブレーション治療は難易度も低くはなく、不整脈専門医のいる医療機関でないと治療ができません。
従いまして治療について検討をされたいということであればかかりつけ医からのこれまでの経過を記載してもらった紹介状を持って是非、不整脈専門医のいる大学病院を受診されてみてください。
心エコーや心臓CT検査などを行い、病歴を踏まえたうえで治る見込みなどを勘案して治療を希望されるかの総合判断になるかと思います。
尚、カテーテルアブレーション治療を行えば血液サラサラになるお薬を必ずしもやめられるとは限りません。
これも併存疾患や心房細動の状態などによります。
脳梗塞のリスクのある方は再発した場合に備え、安易にやめない方がよい場合があります。 -
(質問114)
50代女性
カテーテルアブレーションを半年前に受けましたが不整脈がたまに出て、まだ血液サラサラ薬と不整脈の薬を飲んでいます。
これからもずっと飲まなければなりませんか?
また不整脈が再発したらカテーテルアブレーションは何回も受けることはできますか? -
カテーテルアブレーション治療をすれば血液サラサラのお薬も不整脈のお薬も中止することができる場合があります。
65歳以下の場合は特にそれを期待してカテーテルアブレーション治療を行うこともあります。 しかしながらお薬を飲んでいてもたまにまだ不整脈が生じるようであれば、完全に根治はできていない可能性があります。
残っている原因を治療するために2回目のカテーテル治療を行う場合もあります。
それでもなかなか治らず3回、4回とされる方もいますが、それでも治らないくらいカテーテル治療ですべての原因を排除できない場合はお薬の治療を継続する場合があります。
まだ1回のカテーテル治療でしたらお薬の中止を期待してもう一回カテーテル治療を検討されてみてはいかがかとも思います。 -
(質問115)
70歳女性
発作性上室性頻拍に対してアブレーション治療を受けましたが、その後も動悸や頻脈は続き、内服治療を行っていました。
退職後、症状は消失し、現在は全く症状はありません。
仕事のストレスが要因だったのでしょうか?それとも再発していたのでしょうか? -
アブレーション治療後の動悸、頻脈出現時に病院を受診されて心電図をとられていれば不整脈の再発であったかどうか分かると思います。
仕事のストレスが誘因となって不整脈が生じることもありますので、御退職後に自然と生じなくなった可能性もあると思います。
不整脈であれば起きた瞬間だけではなく、止まった瞬間もよく分かりますので、もしそのような自覚症状であったのであれば再発だった可能性はあるかもしれません。
ただ徐々に動悸が軽くなっていくような頻脈発作であったのであれば、もしかするとストレスなどによって正常脈がただ速くなっただけであった可能性もあるのかもしれません。
いずれにしましても現在発作がなく経過されているのであれば、そのまま様子を見られていてよいと思います。
発作性上室性頻拍であれば自然に不整脈も起きなくなることがあります。 -
(質問116)
65歳男性
10年前に心筋梗塞を発症しました。
不整脈が時々ありますが、主治医からは大丈夫と言われます。
危険ではないのでしょうか? -
不整脈の中には治療が必要なものもあれば、様子を見るだけでよいものもあります。
期外収縮という脈が飛ぶような不整脈の場合は多くが様子を見ていてよい場合となります。
しかしながら定期的な検査、フォローアップは必要と思います。
24時間連続で行う心電図検査(ホルター心電図検査)などを行って治療が必要な不整脈がでていないか定期にチェックされることをお勧めします。かかりつけの先生に御提案されてみてはいかがでしょうか。 -
(質問117)
56歳男性
2年前に重度の心筋梗塞になりました。
昨年、心房細動がみつかり、カテーテルアブレーションをした方がよいか悩んでいます。 -
心筋梗塞を起こされていても心房細動に対するカテーテルアブレーション治療は可能です。
発症して1年以内であれば治る見込みも高いですので、早めにかかりつけの先生からカテーテルアブレーション治療が可能な大学病院などに紹介をしてもらうとよいと思います。
重度の心筋梗塞で心臓も弱っていると思いますので、さらに心房細動が重なりますと今後の心機能への影響が懸念されます。
56歳という御年齢も考慮しますと、今のうちに治しておいた方がよいように思います。 -
(質問118)
女性
利尿剤や不整脈の薬などを飲んでいます。
柑橘系、グレープフルーツ以外にも八朔なども食べてはいけませんか?
八朔、甘夏を食べたあと調子が悪い気がします。 -
すべての薬剤を把握しておりませんので、正確にはお答えできませんが、柑橘系、グレープフルーツを控えるよう言われているのであれば、八朔、甘夏も控える必要性がある可能性があります。
いつもお薬をもらっている薬局の薬剤師の先生に尋ねられてみてはいかがでしょうか? -
(質問119)
51歳女性
22歳の娘に一日3万回を超える心室性期外収縮があってカテーテルアブレーション治療を勧められました。
した方がよいでしょうか?
特に苦しさなどの自覚症状はありません。 -
心室性期外収縮がどこから起きているかによりますが、心電図を拝見すれば大体見当がつきます。
場所によってはカテーテルアブレーション治療で高率に治る場合もありますので、積極的に治療を検討されてみて、不整脈専門医がいる大学病院へ御相談されてみてはいかがとも思います。
ただ何かしらストレスや睡眠不足、カフェイン(コーヒーなど)など誘因があることもありますので、仮にそのようなものが見当たるようでしたらそちらの改善だけで心室性期外収縮が減る場合もあります。
女性の場合は妊娠出産でさらに期外収縮が増える場合があり、周産期に支障が出る場合もありますので、早めの治療をある意味検討しても良いように思います。 -
(質問120)
58歳男性
昨年心房細動と言われました。
医者から薬を勧められましたが、過去に他剤で副作用を生じた既往があることからしばらく様子をみています。 -
心房細動の自覚症状はないのかもしれませんが、58歳という御年齢と昨年初めて心房細動と言われた(一昨年は正常脈であった)のであれば、お薬の治療ではなく、始めからカテーテルアブレーション治療という方法があります。
この場合は一時的にお薬も併用する場合がありますが、不整脈が治ればお薬も必要なくなりますので、積極的に検討されてみても良いように思います。
かかりつけの先生と御相談され、是非大学病院を受診されることをお勧めいたします。 -
(質問121)
70歳男性
心房細動と言われ、カテーテルアブレーションの提案と血液サラサラの薬を処方されたが、まだ2回くらいしか発作がなく、その後は異常はなく、本当に治療が必要なのか悩んでいる。 -
心房細動の頻度が非常に少ない場合は特に御希望がなければカテーテルアブレーション治療はまだされなくてもよいかと思います。
ただ万が一発作が生じた場合に脳梗塞になってしまう方もいますので、血液サラサラ薬だけはもうしばらく続けて経過を見られた方がよいと思います。
頻度が少なくても積極的にカテーテルアブレーション治療を受けられ、できるだけお薬をなくす試みをされる方もいらっしゃいます。 -
(質問122)
49歳女性
ここ最近、週1回くらい、就寝時に胸がバクバクバクっという不快感があります。
脈をとっても不整であり、数十秒で元に戻ります。
また毎回、心電図検査で左室肥大と言われていて、体重も増え、息切れもしています。 -
この症状だけであれば、治療が必要な不整脈である可能性は低いように思いますが、詳細はこの瞬間の心電図を記録しなければ分かりません。
病院を受診されて24時間記録が可能なホルター心電図検査をすれば、たまたまその最中に症状がでれば診断がつくと思います。
なかなか心電図の記録ができなければ電器店にて市販の携帯型心電計が販売されていますので、それを購入されて御自宅で症状出現時に記録いただくという方法もあります。
それよりも左室肥大と指摘されているのであって、体重増加、息切れも出現しているのであれば、まずは早めに循環器専門医療機関を受診されることをお勧めいたします。 -
(質問123)
66歳男性
心房細動に対してカテーテル手術を受けました。
また心房細動になる確率はどのくらいですか? -
もともとの心房細動が起きたり止まったりするタイプであったのか、あるいは持続していたタイプであったのかなどにもよりますが、カテーテルアブレーション治療を行うと1年後には平均すると8割くらいの方が不整脈の再発なく経過されています。
しかしながら2年、3年経ってからまた起きてくる方もいますので、5年で6〜7割程度の方で治っているというのが実情だと思います。
しかしながら残存している原因治療のために2回目のカテーテル治療を行うと、より多くの方で根治が得られています。 -
(質問124)
時折、不整脈がありますが、マラソンを行っています。大丈夫でしょうか? -
どの不整脈が生じているかによりますので、正確なお答えはできませんが、マラソン中、運動中に不整脈が増えるようであれば危険な可能性もあります。
一方でマラソン、運動中に不整脈の頻度が減るようであれば運動を制限する必要はない可能性が高いと思います。
運動負荷心電図検査をしてみるとよいように思いますので、一度気になられるようでしたら循環器専門医療機関を受診されてみることをお勧めいたします。 -
(質問125)
72歳男性
動悸が10日から1か月続くことがあって病院を受診したところ、期外収縮で心配いらないと言われ、薬も出してもらえなかったが、本当に心配はいらないのか、薬の治療はしなくてよいのか? -
期外収縮は確かに命に影響を与えることはまずありませんので、特に何もしなくても心配はいりませんが、動悸の症状が強いようであれば動悸を抑えるために治療を検討します。
実際には期外収縮の頻度やタイプにもよりますので、拝見してみないと分かりませんが、お薬の治療が一般的です。
しかしながらお薬でも不整脈がゼロになることはなかなかなく、一方でお薬の影響で正常脈がゆっくりになったりもしますので、良かれと思うと逆に調子が悪くなることもあり得ます。
一度循環器専門医療機関で相談されてみることをお勧めいたします。 -
(質問126)
56歳男性
時折左指先に針で刺されたような痛みがあって、左胸にもある。
脈拍も90以上ある。なぜでしょうか? -
脈拍がはやいのは不整脈のせいならば治療が必要な可能性がありますし、ただ正常な脈が速いだけならば特に気にする必要はないかもしれません。
時に原因があって正常な脈が上昇している場合もありますので、左胸にも痛みがあられるのであれば、一度、心電図検査をはじめとして循環器科を標榜する医療機関で検査をされてみることをお勧めいたします。 -
(質問127)
24時間心電図で一日心拍数が12万回でそのうち6000回脈が飛んでいると言われました。
様子を見ていてよいとのことでしたが、少し心配です。
なぜ起こるのでしょうか? -
6000回という回数は決して少なくはありませんが、一日の頻度で計算すると5%となります。
10000回、10%を超えてくると少し多い印象ですが、脈が飛ぶだけであればそれでも命に係わることは基本的にはありません。
治療をするかどうかは動悸、自覚症状を伴い、困っているかどうかでまずは決まりますので、様子を見ててよいと言われたのであればあまり心配はされなくてよいと思います。
不整脈の原因はさまざまですが、ストレスや睡眠不足、アルコールやたばこなど生活習慣が関連していることもあります。
時折、甲状腺の異常や電解質の異常で生じることもありますが、原因が特にはない場合も多数認められます。 -
(質問128)
71歳女性
心房細動と粗動の違いを伺いたい。
これまで心房細動のカテーテル治療は5回うけたが、心房粗動の治療はつらかった。
予防法やその他の治療法は? -
心房細動は心房内で電気信号が複雑にうろうろと動き回っている状態で心房が痙攣しているような状態ですが、心房粗動は心房内で電気信号が一カ所をクルクルと回っている状態で心房が規則正しくピクピク動いている状態です。
心房細動のカテーテル治療を行うと自由自在に動けなくなった電気信号が一カ所だけをくるくると回るようになり、心房粗動の状態となることがあります。
あとはこのクルクルと回っている電気信号を遮断するようにカテーテルで治療をすれば両方の不整脈とも生じなくなることがありますが、両者ともお薬の治療で不整脈を抑え込む方法もあります。
しかしながらお薬は続けなければまた不整脈が起きますし、その予防法として確実なものも残念ながらありません。
しかし肥満やアルコールが関わる方もいますので、そういったものがあれば注意すべきでしょう。 -
(質問129)
71歳女性
狭心症の手術を3年ほど前にしましたが、その後1年に2,3回ほど急に胸の重苦しさ、動悸が荒くなったり、時には不整脈が出たりします。
狭心症の手術をしたのになぜこのような症状がでるのでしょうか?現在も続いています。 -
術後の症状は狭心症とは関連がないかもしれません。ひとまず現在起きている症状が何かを診断しなければ正確なお答えをすることができませんので、一度症状が出現しているときに狭心症の治療をされた医療機関を受診されてみてはいかがでしょうか。
通常の心電図検査あるいは24時間連続型の心電図検査などをされてみると不整脈が何なのか、動悸、胸の重苦しさの原因が何なのかはっきりとすると思います。
場合によっては狭心症との関連性の有無も明らかとなるかと思います。 -
(質問130)
71歳男性
アブレーション治療を3年前に1回、1年半前に1回受けましたが、心筋梗塞や弁膜症が発生することはありますか? -
アブレーションをしたことによって心筋梗塞や弁膜症が発症することはありません。
ただ不整脈の原因に高血圧や糖尿病、加齢などが関係していることも多く、心筋梗塞もそういったことを背景に発症しますので、アブレーション治療後に別に心筋梗塞も発症される方はいらっしゃいます。
弁膜症は逆に不整脈の原因となることもありますので、アブレーション前から弁膜症を認めている場合が時々あります。 -
(質問131)
69歳女性
発作性心室性頻拍と5〜6年前に診断されて以後も月に2回くらい何かの拍子で頻脈発作が生じている(その時薬を服用)。
心房細動とどう違うのか? -
発作性心室性頻拍は心室で生じる不整脈で心房細動は心房で生じる不整脈ですので、そもそも起きている場所が異なります。
両者は全く異なる不整脈であり治療の方法も異なります。
それよりも発作性心室性頻拍とのことですが、発作性上室性頻拍の間違いではありませんか?
上室とは心房のことであり、仮に発作性上室性頻拍であったのであれば、起きている場所は同じ心房となります。
発作性上室性頻拍であればカテーテル治療で高率に治せますし、心房細動も最近ではカテーテル治療で治せることが増えてきました。
しかしながら両者とも全く別の不整脈で治療法も異なります。
発作が月に2回も起きていらっしゃるようでしたらカテーテルアブレーション治療による根治治療をお勧めいたします。
かかりつけの先生に紹介状を書いていただき以前の発作時心電図を持参のうえ、大学病院に一度御相談ください。 -
(質問132)
71歳女性
心房細動でペースメーカー植込み、アブレーションを受け2年になります。
定期的にワーファリンの検査のみを受けていますが、これだけでよいでしょうか? -
定期的にペースメーカーの検査も受けていらっしゃるかと思います。
ペースメーカーに記録されていますデータを読み取れば、心房細動が起きているのかそうでないのかが分かりますので、これで心房細動の再発があるかどうかが分かると思います。
ペースメーカーチェックの際に伺われてみてはいかがでしょうか。
そのほかにもかかりつけ医にて定期的に一般採血をされ、腎機能、肝機能、貧血などが変わりないかどうか、最低でも年に1回、2回はしておくべきでしょう。 -
(質問133)
61歳女性
朝の血圧はトイレのあとなのはなぜ? -
激しい運動をすれば血圧は当然上がりますが、普通に生活していても血圧は変動します。
血圧は常に一定ではなく、食事や運動、ストレス、気温の変化など様々な要因で変動します。
排尿前の膀胱が尿で充満した状態は、自律神経を介して血圧を上昇させるため、本来の血圧の状態とは異なる状況であるといえます。
このため、朝の血圧は通常排尿をすませた起床後1時間以内に測定することが推奨されているのです。 -
(質問134)
72歳女性
家庭血圧は何時に測ればいいのでしょうか? -
厳密に何時と決められたものはありませんが、日々なるべく同時間帯での測定することが大事です。
そのうえで、ガイドライン上は一定の条件下での長期にわたる測定を可能とする朝・晩の測定が多くの研究において一般的に行われており、各国のガイドラインにも明記されています。
つまり、朝(起床後)1時間以内、排尿後、朝の服薬前、朝食前、および晩(就寝前)に、座位1−2分の安静後に測定することが推奨されています。 -
(質問135)
51歳男性
ダイエットと塩分制限で完全に血圧は下がりますか? -
確かに減量や塩分・アルコール制限などの生活習慣の改善は、降圧薬非服用の高血圧患者さんであろうと内服中の高血圧患者さんであろうと基本として最も重要なことです。
しかし、これら生活習慣是正による降圧効果やもともとの血圧値にも個人差があることを考えると、一概に生活習慣改善のみで血圧がどれくらい下がるかということはいえません。
ガイドラインでも然るべき十分な生活習慣の是正で改善がみられない高血圧には降圧剤を使用して血圧管理をはかるべきとありますので、上手く生活習慣改善とお薬を組み合わせながら治療をするべきと考えます。 -
(質問136)
71歳女性・48歳女性・80歳女性
降圧剤服用で収縮期血圧が80台になることも。心配。
降圧剤服用で脈拍があがり息苦しい。
降圧剤服用でたちくらみ。 -
降圧剤服用で上の血圧が80台という場合、降圧剤による過降圧である可能性があります。
また過降圧の場合、たちくらみ(特に高齢者では起立性低血圧がおこりやすい傾向があります)がでたり、代償的に脈が早くなり動悸症状がでる場合もあります。
降圧剤服用でこのような症状が出る場合は、効果が過剰である可能性、薬の副作用である可能性も考えられますので、主治医の先生と十分相談されてご自分にあった降圧薬の種類・用量を考えて頂くべきと思います。 -
(質問137)
82歳女性
高齢者はどのくらいからが高血圧? -
2019年に改訂された「高血圧治療ガイドライン」でも従来通り成人の高血圧の定義は140/90 mmHgであることは変わりません。
ですので、高齢者であっても基本は140/90 mmHgをこえると高血圧ということになるのですが、誤解をまねきやすいのが140/90 mmHg以上であっても、薬物治療を行うかどうかは年齢も含めた患者さんそれぞれの全身状態を評価した上での個別判断になるということです。
基本的には、病院の外来に自力で通院できるような健康状態にある患者さんであれば75歳以上であっても140/90 mmHg未満になるように治療することがすすめられます。
しかし、高齢者は年齢だけでははかれない多様性がありますので、個々の状態(認知症や要介護の状態など)で判断する必要があります。
よって、高齢者に限られた話しではありませんが、降圧薬服用を含めた高血圧治療の必要性に関しては専門医を受診されて判断してもらう必要があります。 -
(質問138)
48歳女性、69歳男性
降圧剤はのんだりのまなかったりは大丈夫? -
降圧剤は基本的に決められた回数の服用をしたうえではじめて効果を発揮するようになっています。
また継続的に服用することで安定した降圧効果がえられますので、決して自己判断で休薬したりしないでください。
薬が効きすぎているのではないか、などの不安があれば躊躇せず主治医の先生にご相談することを薦めます。 -
(質問139)
73歳男性
かくれ脳梗塞が心配。 -
「隠れ脳梗塞」とは、症状はないけれど、CTやMRIなどの画像検査でたまたま見つかった脳梗塞のことで、高血圧の人は、正常血圧の人に比べて約3倍「隠れ脳梗塞」になりやすいことが分かっています。
もちろん、高血圧のみでなく糖尿病や高コレステロール血症などの生活習慣病も「隠れ脳梗塞」のなりやすさに関係していますので、血圧の安定のみで完全に予防できるものではありません。
しかし、なかでも高血圧が最も重要な関連因子であることが分かっていますので、他の生活習慣病の管理と同時に特に高血圧には十分な管理が必要といえるでしょう。 -
(質問140)
51歳女性
血圧の高い家族を病院受診させるためには? -
高血圧患者さんのなかにはご自分が高血圧と気づかずに治療を受けてない方が33%、高血圧と気づいているのに受診をされてない未治療患者さんが11%もおり、こういった方の受診、治療をどのように促すかが問題になっています。
これには明確な回答はなく難しい問題ですが、高血圧が脳卒中や心筋梗塞など重い後遺症を残す可能性がある疾患の最大の危険因子であることは間違いのないところですから、そのような疾患を予防する必要性、またそのような疾患にひとたびなってしまうとご本人だけの問題だけでなくご家族にも多大な負担をかけてしまう可能性があることをご本人に理解して頂いて受診を促すのは如何でしょうか。